「兵庫経協」2023春号

兵庫経協 兵庫県経営者協会 PREFECTURAL EMPLOYERS´ ASSOCIATION HYOGO N o. 3 8 9 2023 Spring

wisteria B-1 (43×31cm 2016年 銅版画) 古くから親しまれている藤の花をモチーフにしました。 この作品では、あえて花の房だけを抽出して、藤の「たおやかさ」のような ものが表せたらと思い、制作しました。 【表紙の作品】 【作家/古 ふる 本 もと 有 あ 理 り 恵 え 】 幼少期より現在に至るまで神戸市在住 京都市立芸術大学 版画専攻卒業 同大学大学院 版画修了 1993年 「’93兵庫の美術家」展[兵庫県立近代美術館] 1999年 第4回高知国際版画トリエンナーレ 準大賞(96年優秀賞) 2002年 個展 西脇市岡之山美術館 アトリエ(兵庫) 2004年 個展 ギャラリーA.C.S(名古屋)以降隔年開催 2010年 個展 ギャルリプチボワ(大阪)以降隔年開催 作家からのコメント ・2023年度 セミナースケジュール‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 ・労働政策ニュース 〜経団連『2023年版経営労働政策特別委員会報告』の要点〜‥ 2-5 ・Look at the 企業 「株式会社 大森廻漕店」‥‥‥‥‥ 6-7 ・大学生インターンシップ推進事業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8 ・経協レポート‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9-11 ・労働問題Q&A ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥12-13 ・青年部会活動報告‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 ・女性産業人懇話会 VAL21‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15 ・TOPICS 歯の健康シリーズ 近い将来の歯科医療問題(歯科技工士不足の問題)‥‥‥ 16

本年度に開催を予定している研修会、研究会等を下記にまとめました。 開催日程等は、確定ではありませんが詳細が決まり次第、当協会のホームページに掲載い たしますので、是非ともご活用いただきますようご案内申し上げます。 2023年度 セミナースケジュール(予定) 人事労務 ❶ 企業労働法実務(基礎)セミナー ❷ 企業労働法実務(発展)セミナー ❸ 就業規則確認・対策セミナー ❹ 労働判例実務対策セミナー(日程未定) ❺ 春季労使交渉セミナー 総務関連 ❶ 健康経営セミナー ❷ 企業防衛セミナー ❸ 防災・BCP関連セミナー ❹ 経営改善視察研究会 ❺ 懇親ゴルフコンペ ❻ 経営改善視察研究会(1泊2日) 税務経 理 ❶ 第58回税経セミナー ❷ 経理懇話会 ❸ 特別講演会 人材育 成 ❶ 第一監督者研修会(例会・幹事会) ❷ 第二監督者研修会(例会・幹事会) 雇用関 連 ❶ 外国人雇用管理セミナー ❷ 多様な働き方と処遇改善セミナー ❸ インターンシップ事業説明会・産学情報交換会 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 人事 労務 ❶ ❶ ❶ ❷ ❷ ❸ ❸ ❺ 総務 関連 ❺ ❷ ❸ ❹ ❻ ❶ 税務 経理 ❷ ❶ ❶❷ ❷ ❷ ❸ ❷ ❷ 人材 育成 ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ ❶ ❷ 雇用 関連 ❶ ❶❷❸ https://www.hpea.jp/ 兵庫県経営者協会 上記以外にもタイムリーな研修会をご提供していきたいと思います。 当協会ホームページなどをご活用いただき、多くのご参加をお待ちしております。 1 兵庫経協2023年春号

昨年は春季労使交渉が始まる時期にロシアによるウクライナ侵攻があり、1年がたった現在も 戦火は止んでいません。長引く新型コロナウイルスの流行に加え、この戦火により世界的なエネ ルギー価格や食料価格の上昇がありましたが、わが国においては円安の影響により、長く続いた デフレから急激に消費者物価および企業物価が上昇しました。 この物価上昇を受け、岸田内閣・連合・経団連の政労使が揃って賃上げムードを上げるなかで 今年の春季労使交渉が始まりました。 ここでは、春季労使交渉の前に経団連より発行された「経営労働政策特別委員会報告(経労委 報告)」の2023年版の内容をまとめています。 雇用・人事労務管理に関する諸問題 1.エンゲージメントと労働生産性の向上に資する働き方改革 企業と働き手を取り巻く環境が大きく変化している中、企業は労働生産性を向上させ、高付加価値の製 品サービスの提供を通じて社会課題の解決と収益の拡大を同時に図るSociety 5.0 for SDGsの実現に向け て取り組むことが求められています。 労働生産性の向上には、上の図の左側の式にあるように、分母となるインプット(労働投入)を効率 化する働き方改革「フェーズⅠ」を継続しながら、分子となるアウトプット(付加価値)の最大化を図る 「フェーズⅡ」を深化させていくことが不可欠です。そして働き方改革の鍵を握っているのは、働き手の 「エンゲージメント」で、企業はエンゲージメント向上に資する働き方改革の取組みを「人への投資」とし て位置付け、働き手から選ばれる企業組織を目指すことが重要です。経営トップと働き手とのコミュニ ケーションを拡充することや、エンゲージメントを高める各施策がイノベーション創出や生産性向上に寄 与しているのかを測定・評価し、改善に繋げていくことが求められます。 2.DE&I(Diversity,Equity&Inclusion)の浸透 持続的な成長の実現には、労働生産性の向上と共に労働参加率の上昇と処遇等の質的改善が不可欠で、 近年企業はそのために重要なダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の浸透に注力しています。こう 第Ⅰ部 労働政策ニュース ~経団連『2023年版経営労働政策特別委員会報告』(経労委報告)の要点~ 特 集 2 兵庫経協2023年春号

した中、公正性・公平性を表す「エクイティ(E)」の概念を付 加したDE&Iが注目されています。 企業組織が多様な人材を受け入れ、働き手一人ひとりが個 性や強みを最大限発揮できるよう、人権の尊重と公正性・公 平性の観点を踏まえ、適切にDE&Iを浸透させていくことは、 人材の確保・定着だけでなく、働き手のエンゲージメント向 上や継続的なイノベーション創出、ビジネスモデルの変革の 観点からも極めて重要です。 性別や国籍、年齢、障害の有無、雇用形態に加え、人種や LGBTQといったテーマにおいても、個々人で異なる特性等 を強く意識しながら、多様な人材が活躍できる環境を整備す ることが、人事労務管理での要諦と言えます。 なお、一般的に使われている「非正規」という言葉は、「正 規に非ず」というネガティブな印象を与えることから、経団 連では引用の場合を除き、「非正規労働者」でなく「有期雇用 等労働者」としています。 3.円滑な労働移動 DXやGX※の進展による産業構造の変革とそれに伴う労働需要の変化に対応し、持続的な成長を実現し ていくためには、成長産業・分野への円滑な労働移動を通じて、わが国全体の生産性を高めていくことが 不可欠です。硬直的とされるわが国の労働市場を、円滑な労働移動に適したものへと新たに作り上げる必 要があります。 なお、採用方法の多様化は、円滑な労働移動にも資する事ですが、「中途採用」という呼称は、「中途」と いうネガティブな印象を与えることから、経団連は「経験者採用」と表記しています。 ※DX:デジタルトランスフォーメーション、 GX:グリーントランスフォーメーション 企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可 能エネルギーや脱炭素燃料に転換することで、社会経済を変革させること 2023年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス 1.わが国企業を取り巻く経営環境 2022年の世界経済の実質成長率は3.1%と、2021年の5.9%に比べて低下する見通しです。世界的に物価 上昇圧力が残る中、欧米が金融引締めを継続し、大幅に景気が減速すれば、新興国も外需の落ち込みを背 景に厳しい経済環境に直面することが懸念されています。 日本経済は、エネルギー原材料価格の高騰、急速に進行した円安により、輸入物価が上昇したことで、 「コストプッシュ型」のインフレに直面しています。 生鮮食品を除いた総合の消費者物価は、2021年後半からエネルギー・食料品を中心に上昇し、2022年12 月は前年同月比+4.0%と41年ぶりの高い伸び率を記録しました。 2.連合「2023春季生活闘争方針」への見解 連合の2023闘争方針の基本的な考え方や方向性、問題意識などの多くは、経団連と基本的に一致してい ます。他方で、賃金要求の考え方では、月例賃金引上げに強いこだわりを示しながら、具体的な要求目標 として賃上げ分いわゆるベア分として3%程度、定期昇給相当分を含む5%程度としておりますが、この要 第Ⅱ部 今年の副題は、「人への投資」促進を通じた イノベーション創出と生産性向上の実現 3 兵庫経協2023年春号

求指標は賃金引上げのモメンタムが始まった2014年以降の賃金引き上げ結果と比べても大きく乖離してい ます。建設的な賃金交渉を目指す観点から、企業労使の賃金交渉では自社の状況を労使で充分共有しなが ら最適な対応を見出されるよう期待されます。 3.経営側の基本姿勢 わが国経済は、需要の拡大を伴わない資源エネルギー価格の高騰などによるコストプッシュ型の物価上 昇に直面しており、働き手の生活や企業収益の影響が懸念されます。 こうした状況であっても、働き手との価値協創による成長とその適切な分配としての「人への投資」を 通じて賃金引上げの機運をさらに醸成し、そのモメンタムの維持・強化を図り、「構造的な賃金引上げ」や 「分厚い中間層の形成」につなげることが望まれる。こうした「社会性の視座」に立ち、デフレからの脱却 を「人への投資」を一層重視した企業行動への転換に向けた絶好の機会と認識し、サステナブルな資本主 義の実践に強い決意を持って取り組んでまいります。 第33回兵庫県労使懇談会の会場(P.5参照) 4 兵庫経協2023年春号

春季労使交渉に臨む労働側の春季生活闘争方針と経営 側の基本スタンスを労使双方の講師を招いてセミナーを 開催しました。 *開 催 日:2月7日(火) *会 場:ホテルクラウンパレス神戸およびweb *演題と講師: 「2023年春季生活闘争方針について」 講師 日本労働組合総連合会兵庫県連合会 事務局長 那須 健 氏 「2023年版経営労働政策特別委員会報告について」 講師 日本経済団体連合会 専務理事 藤原 清明 氏 「2023春季労使交渉に臨む兵庫県経営者協会の基本スタンス」 講師 兵庫県経営者協会 副会長 塚本 晃彦 氏 一昨年、昨年は新型コロナ対策で労使双方の出席者を絞っていましたが、今年は従来通りの出 席者数で開催しました。 当協会の三原会長、連合兵庫の福永会長の挨拶のあと、連合兵庫の那須事務局長より労働側の 交渉姿勢と内容について説明があり、当協会の市成労務委員会委員長より経営側の考え方を説明 しました。 その後、各産業の労使による質疑応答・意見交換があり、春季労使交渉に臨む労使の考え方を確 認しました。 *開催日:2月17日(金) *会 場:神戸メリケンパークオリエンタルホテル *出席者:兵庫県経営者協会 三原会長以下15名 連合兵庫 福永会長以下15名 【春季労使交渉セミナー】 【兵庫県労使懇談会】 物価上昇という近年とは大きく異なる状況で行われる今年の春季労使交渉においても、各企業が自社の 実情に適した対応を行う賃金決定の大原則に則って検討する方針は変わりません。その上で、「物価動向」 を特に重視しながら、企業の社会的な責務として、賃金引上げのモメンタムの維持・強化に向けた積極的 な対応を呼びかけています。 さらに、わが国全体における賃金引上げのモメンタムの維持・強化には中小企業の賃金引上げと有期雇 用等労働者の処遇改善が欠かせません。 中小企業における賃金引上げに不可欠な取引条件の改善と適正な価格転嫁に向けて、経団連は「パート ナーシップ構築宣言」への参画と実効性の確保に向けて働き掛けてまいります。その一環として、経団連 と日本商工会議所・経済同友会の3団体長連名で要請文書を発信しました。 労使は「闘争」関係ではなく、価値協創に取り組む経営のパートナーであるとの認識の下、経団連は、わ が国が抱える社会的課題の解決に向けて、未来を「協創」する労使関係を目指していくことを表明してい ます。 経団連 藤原専務理事 5 兵庫経協2023年春号

ここ数年港湾のDX化は目覚ましい進歩を遂げ ています。従来はNACCS(通関申告システム)だ けであった港湾に関わるシステムは、Cyber Port (港湾関係データ連携基盤)が運用を開始し、ま た神戸港においてはCONPAS(コンテナのヤード 搬出入システム)の実証実験が開始され、当社も Cyber Portの接続実証実験事業者として国土交通 省より認定を受け参加しております。 また民間においてはTrade Waltz(貿易・港湾 物流システム)が立ち上げられ、「貿易情報連携効 率化・普及に向けたコンソーシアム」にも参加し ております。 この動きは我々港運事業者のみならず、荷主や 官庁も巻き込んだシステムに発展しており、情報 は紙という媒体が廃止されデジタルデータとして 流通していくこととなる為、当社においては、業 務のペーパレス化、RPA化を推進しています。 パンデミックは物流においては港湾混雑による コンテナ船の遅延のほか、輸送スペースの逼迫、 空コンテナ不足など未曾有の事態に直面し、極め て大きな影響を与えました。 このような状況の中でも可能な限り、お客様の ニーズを最大限にお応えするために様々な対応を する必要がありました。 その中でも、 ことが重要であり、すべての従業員の健康管理、 情報セキュリティーの強化、テレワークの推進を 行いました。 その結果、働き方の多様化・時間の有効活用が 可能となり、ワークライフバランスが改善された ことは良い結果とも言えます。 将来的には、地方に移住しても仕事ができるス タイルの確立もチャレンジしていければと考えて います。 Q1. コロナ禍は、御社にとってどのような影響がありましたか? Q2. 今、最も重要な課題とも言えるDXについて、貴社の取り組みを教えていただけますか? ・物流をとめない ・情報をとめない 代表取締役社長 須藤 明彦 I n t e r v i e w 会社概要 今年で創業150周年を迎えられる株式会社大森 廻漕店様にアフター150のビジョンをお伺いし ました。 所在 地:神戸市中央区東町123-1 貿易ビル 資本 金:400,000,000円 従業数:296名 事業内容:一般港湾運送業、通関業、倉庫業 URL:https://www.omori-kaisoten.jp/ Look at the 企業 株式会社大森廻漕店 6 兵庫経協2023年春号

港湾関係企業によるSDGsの更なる取り組みを 支援、普及促進を目的に国土交通省において「み なとSDGsパートナー登録制度」が創設されたの をきっかけに、当社も登録を行い様々な取り組み を実践しているところですが、主要業務のDX推進 (ペーパーレス化含む)を推進したことにより、印 刷、コピー用紙は50%削減を達成しております。 またダイバーシティ経営として、多様な人材が活 躍できるよう、時差出勤、テレワーク、短時間勤 務や適切な職場への人員配置に取り組んでいます。 また脱炭素化への取り組みとして現在神戸市 が進めている神戸港CNP(カーボンニュートラル ポート)形成計画への参画と共に、神戸空港護岸 に形成している藻場を利用した神戸市ブルーカー ボン創出プロジェクトに賛同しブルークレジット を購入いたしております。 明治6年に神戸港で旅館業、回漕問屋を開業し て以来、事業領域を総合国際物流業に広げてまい りました。おかげさまで本年1月をもちまして創 業150周年を迎えることができました。これから も神戸港の発展のために尽くす所存です。 今後の取り組みは「お客様から選ばれる物流事 業者」になるためのキーワードとして を掲げて社会に貢献して参ります。 Q3. Q4. 2021年から本コーナーでは、会員企業が取り組む SDGsについて掲載しております。ホームページを 拝見すると、多分野で取り組まれておられますが、一例をご紹介いただけませんか? アフター150周年にあたり今後の取り組みをお聞かせください。 ・市場変化に対応した既存事業の転換 ・港湾と社内DX化への対応 ・ニューノーマルへの対応 ・環境およびSDGs対応 六甲物流センター 神戸空港島のブルーカーボン 明治6年創業時の大森廻漕店 Look at the 企業 7 兵庫経協2023年春号

「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」 の三省合意に沿って、2023年度より運営サイト「兵庫県インターンシップシステム」の仕様や、利用条件 等を変更しています。全国の学生のキャリア形成支援と自社の魅力発信に是非お役だてください。 なお、事務局では、できるだけ学生の就業体験があるプログラムを推奨しております。 2023度の新規登録・募集は【4月10日(月)】受付スタート!プログラム作りやご利用方法などお気軽に ご相談ください。 ⇒【URL】https://hyogo-internship.jp あるいは 「兵庫県インターンシップ」と検索してください ▼参加者数 〈企業〉73社 85名 〈学校〉34校 36名 〈関係機関〉7団体 9名 ▼プログラム ①「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」事務局による説明 一般社団法人 日本経済団体連合会 SDGs本部長 池田 三知子 氏 ②基調講演「23年卒・24年卒の学生行動から見るインターンシップの実施ポイントは?」 株式会社マイナビ 就職情報事業本部 関西・中四国営業推進統括部 地域人材支援担当 課長 畑 賀子 氏 ③兵庫県経営者協会・姫路経営者協会 事業説明 ④企業と大学との情報交換会 昨年にひき続き短時間で多くの情報を発信可能で、Z世代の学生のニーズが高い「自社紹介動画の作り方 講座」をワークショップ形式で開催いたしました。タブレットを使用し、講師が用意した動画を編集する等 のより実践的な内容でしたので、参加者からは「“社員インタビュー”などの動画で活用したい。」「新卒採用向 けのTikTok作りに役立った。」「映像だけではなく音声が重要とわかった。」などの感想をいただきました。 ▼参加者数 9名 ▼プログラム 講師:帝塚山学院大学 リベラルアーツ学科 専任講師 佐藤 安 氏 ・動画で魅力発信する意味・動画作りの企画・アイディア ・体験ワーク(発想法・編集・音声・テキスト挿入)など 2023年度のご案内 ※2022年2月末時点 ※コロナ等による中止分を含む 2月20日(月) 13:00~16:30 ホテルクラウンパレス神戸 3月9日(木) 13:30~16:00 会場:兵庫県経営者協会 会議室 〈企業〉【登録】 301社 →【募集】延べ80社 → 学生エントリーと企業選考を経て【実施決定】延べ39社 〈学校〉【登録】229校 → インターンシップ参加を決定した学生の【所属校】85校 〈学生〉【登録】1023名 →【エントリー】延べ579名 → 企業選考を経て【参加決定】延べ314名 ❷ インターンシップ説明会 ❸ 企業向けインターンシップ勉強会 ❶ 2022年度 実施状況 基調講演 企業と大学の情報交換会 【本件担当】兵庫県経営者協会 浅野・糀谷 ☎ 078-321-0294 internship@hpea.jp INTERNSHIP 大学生インターンシップ 推進事業 8 兵庫経協2023年春号

経協レポート KEIKYO REPORT ●3月度理事会・講演会 日時:2023年3月28日(火) 14:00~17:00 会場:ホテルクラウンパレス神戸 ・理事会 14:00~15:20 参加人数(会場:35名 リモート:11名) 議案 (1)役員異動について (2)公設委員候補者の推薦について (3)2023年度 事業計画(案)について (4)2023年度 収支予算(案)事前審議について (5)役員選考に伴う選考委員会設置について 上記議案は異議無く可決承認されました。 報告 (1)2022年度 活動状況について (2)2022年度 収支決算予想について (3)2023年度 理事会スケジュールについて (4)賃金引上げの際の同一労働同一賃金の観点を踏まえた対応等について ・講演会 15:30~17:00 参加人数(会場:42名 リモート:15名) テーマ:『最近の金融・経済情勢について』 講師:日本銀行 神戸支店長 竜田 博之 様 <要約> 講演導入部では日本銀行と日銀支店長の業務について、概要と少し踏み込んだ内容を軽快且 つ丁寧にお話しいただき、その後は金融緩和の出口戦略等にも触れながら、テーマに沿った解説を データに基づきご説明いただきました。 ●第2回事業運営委員会 日時:2023年3月2日(木) 14:00~16:00 場所:兵庫県経営者協会 会議室 出席者:17名 成松委員長(副会長)、林副委員長(専務理事)、市成委員(労務委員長)、豊嶋委員長(中小企業委 員長)、土田委員(総務委員長)、西崎委員(税経委員長)、谷口委員(人材育成委員長)、和田委員 代理(青年部会副部会長)、池上委員(女性産業人懇話会代表幹事)、事務局職員8名 議案:2022年度事業活動の進捗および2023年度事業計画の確認と意見交換 当日は、5つの常設委員会の委員長と2つの専門部会の代表者にご出席いただき、各委員会・部会 の2022年度の事業活動についての報告並びに総括、2023年度の事業方針並びに事業計画案につい てご報告いただき、相互の質疑応答や意見交換を行い、2023年度の事業計画案についてご検討い ただきました。本委員会での検討事項を踏まえて修正した2022年度事業報告案と2023年度事業計 画案を、3月28日開催の理事会において上程いたしました。 ●労務委員会 〈正・副委員長会議を開催〉 日時:2月27日(月) 10:00~11:30 議題 2022年度活動報告 2023年度活動計画 最近の労務問題に関する情報交換 〈労働判例実務対策セミナー〉 日時:2月9日(木) 15:00~17:00 兵庫県経営者協会 会議室 Web併用 参加人数12名 テーマと講師:『東リ事件』神陵法律事務所 長谷部 信一 弁護士 『NHKサービスセンター事件』乗鞍法律事務所 乗鞍 佳孝 弁護士 〈就業規則確認・対策セミナー〉 日時:2月22日(水)、3月7日(火) 各15:00~17:00 9 兵庫経協2023年春号

経協レポート 兵庫県経営者協会 会議室 Web併用 参加人数10名 講師:人事労務倶楽部 代表/社会保険労務士 宮内 雅也 氏 昨年までの賃金・評価制度研修会を本年度は、実例や判例を交えて就業規則の作り方を解説 〈仕事と介護の両立オンラインセミナー〉 (基礎編) 日時:3月1日(水) 10:00~11:30 Web開催 参加人数43名 (介護にかかる費用の考え方) 日時:3月6日(月) 10:00~11:30 Web開催 参加人数41名 (人事ご担当者向けセミナー) 日時:3月16日(木) 10:00~11:30 Web開催 参加人数43名 各回講師:㈱ベネッセシニアサポート専門職 仕事と介護の両立のために知っておきたい情報や心構えなど、両立を続けるためのポイントを解説 ●税経委員会 中小企業向け研修会〈中小企業委員会と合同開催〉 インボイス制度実務対応セミナー 2023年1月27日(金) 兵庫県経営者協会 会議室 14:00~15:30 参加者46名(リモート受講・37名 会議室受講・9名) 講師:中嶋 輝男氏・公益社団法人 神戸納税協会 専務理事 税理士 〈正・副委員長会議を開催〉 2023年2月20日(月) 兵庫県経営者協会 会議室 10:30~11:30 議題 2022年度下半期事業活動報告 2023年度事業計画 次年度の課題と日程調整について その他 〈経理懇話会〉 第229回例会(工場見学) 2023年2月17日(金) 日工㈱ 会議室 参加者27名 14:00~16:50 「連結決算の実務対応について」 日工株式会社より発表・問題提起、後全員にて討議検討 第230回例会(リモート併用) 2023年3月10日(金) 兵庫県経営者協会 会議室 参加者41名 14:00~17:00 「インボイス制度について」 ハリマ化成グループ株式会社より発表・問題提起、後全員にて討議検討 ●人材育成委員会 「第一監督者研修会」 当協会では、主に製造現場の監督者等の職場リーダーを対象に「メンバーとともに職場の問題を発見・ 解決しながら部下育成を進めるとともに、やる気と活気にあふれた職場づくりをリードする監督者・リー ダー」の育成を目指して、監督者研修会を開催しています。 3月までの開催内容は以下の通りです 1月幹事会〈兵庫県経営者協会 会議室で集合形式〉 日時:1月11日(水) 13:30~17:00 内容:講義「監督者のための労務管理」、幹事による1月例会打ち合わせ 10 兵庫経協2023年春号

KEIKYO REPORT 1月例会 日時:1月25日(水) ※大寒波による交通機関マヒのため開催延期 2月幹事会〈山陽特殊製鋼株式会社 会議室で集合形式〉 日時:2月8日(水) 13:00~17:00 内容:山陽特殊製鋼株式会社 工場見学 講義「自身のキャリアを振り返る」幹事による3月例会打ち合わせ 2月例会〈Microsoft Teamsによるオンライン研修〉 日時:2月22日(水) 9:00~17:00 内容:テーマ「監督者のための労務管理」に係る講義・ワークショップ 3月幹事会〈神戸市産業振興センター会議室で集合形式〉 日時:3月8日(水) 13:30~17:00 内容:講義「自身のキャリアを振り返る/1年間の総まとめ」、幹事による3月例会打ち合わせ 次年度監督者研修幹事会引継ぎに関するワークショップ 3月例会〈Microsoft Teamsによるオンライン研修〉 日時:3月15日(水) 9:00~17:00 内容:テーマ「自身のキャリアを振り返る/1年間の総まとめ」に係る講義・ワークショップ 「令和4年度人材育成委員会 第2回正副委員長会議」 日時:2023年3月1日(水) 13:00~14:30 会場:Microsoft Teamsによるオンライン会議 議事・内容: 1)令和4年度所管事業の活動実績と進捗状況等について 人材育成委員会では、会員企業の人材育成機能を補完あるいは向上を支援することを目的に、主に 製造現場の監督者(候補含む)や職場リーダー等の育成・養成に資する事業を実施すると共に、人材育 成担当者を対象に情報交換や共同研究の場を設けています。 コロナ禍の影響が続き、今年度も一部延期となった事業がありましたが、主に以下4点について進捗 報告を行いました。 「監督者研修の経過報告」「WSTC教材販売状況」「通信教育・関連図書等の販売斡旋状況」 「異業種間合同研修 リーダー・管理職のための部下の成長を促す1ON1面談研修」 2)次年度所管事業の方針について 主に以下7点について概要報告を行い、概ね承認を得ることができました。 「第二監督者研修の再開」「第一監督者研修の実施」「異業種間合同研修の実施(第2・3弾)」 「個別企業向けオーダーメイド研修(各会員企業様への講師派遣型研修)」 「WSTC教材販売・PR及び企業研修」「人材育成に資する通信教育・関連図書等の販売斡旋」 「人事・教育担当者交流会の実施」 「リーダー・管理職のための部下の成長を促す「1ON1面談」研修開催」 ※会員企業様へのヒアリングの中で、部下の育成マネジメントにお悩み・課題を持たれている管理職の 方が多いとの結果を得て、部下と直接面談する上での技法について、実践を通じて学ぶ機会を創出 【日 時】2023年2月14日(火) 10:00~17:00 【会 場】神戸市産業振興センター会議室 【受 講 者】23名 【研修目的】①部下の成長を促すキャリア面談の技法について実践を通じて学ぶ ②上司力を高めるコミュニケーションを身に付ける 11 兵庫経協2023年春号

経協レポート KEIKYO REPORT 営業所の補助業務を長年担当して いるパート社員から申し出があり、無 期転換する必要があります。 ずっと補助業務のみを担当してもらいたいの で、正社員とは違う処遇とし、昇進や定期昇給、 退職金の対象外としたいのですが、問題がありま すでしょうか。 1 労働契約法18条と無期転換 同一の使用者との間で、2回以上有 期労働契約を締結し、その契約期間が通算して5 年を超える労働者は、使用者に対し、無期労働契 約の締結の申込みをすることができ、この場合、 使用者は当該申込みを承諾したものとみなされま す(労働契約法18条1項前段)。 これがいわゆる「無期転換」です。 2 無期転換後の労働条件 無期転換後の労働条件は、原則として、従前の 有期労働契約の労働条件と同一となります(労働 契約法18条1項後段)。設例では、無期転換後も 「補助業務のみを担当してもらいたい」「昇進や定 期昇給、退職金の対象外としたい」とのことです が、従前の有期労働契約の労働条件もそのような ものであったならば、無期転換後も当該労働条件 を継続することは、原則として可能だということ になるでしょう。 ただし、上記の労働契約法18条1項後段は、 労働条件(契約期間を除く。)について別段の定め がある場合には、労働条件が変更され得る旨を規 定しています。「別段の定め」としては、就業規則 や個別の労働契約等が挙げられます。したがっ て、例えば就業規則に無期転換後の労働条件に関 する定めがある場合は、それに従うことになるで しょう。 ただ、いうまでもありませんが、少なくとも、 「無期転換が行われた後」の段階で就業規則を制 定又は改正して当該無期転換者の労働条件を変更 するためには、いわゆる「就業規則の(不利益)変 更」の問題として、変更内容が合理的であること 等の要件が必要となります(労働契約法10条)。 また、「有期労働契約の締結後、無期転換前」の 段階で就業規則を制定又は改正して無期転換後の 労働条件を変更する場合については議論があり得 ますが、この場合も、実質的には労働条件を変更 するものと見て、上記と同様に、変更内容が合理 的であること等の要件が必要となると考えておく ことが安全だと思われます。 Q A 弁護士 乗鞍 佳孝 (乗鞍法律事務所) 無期転換するパートを、昇進や定期昇給の対象外とできるか。 Q&A 労働問題 12 兵庫経協2023年春号

3 他の無期雇用労働者との差異 では、無期転換者と、無期転換者ではない無期 雇用労働者(最初の労働契約の締結の時点から無 期雇用労働者である者)との間に、労働条件の差 異がある場合、それについてはどのように考える べきでしょうか。 「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理 の改善等に関する法律」(以下「短時間・有期雇用 労働者法」といいます。)8条・9条は、有期雇用労 働者についての不合理な待遇や差別的取扱いを禁 止しています。無期転換前の労働者(有期雇用労 働者)については、無期雇用労働者との間に労働 条件の差異がある場合、これらの条文への違反と いう問題を生じ得るところです。 しかし、無期転換者は、短時間労働者に該当す る場合を除けば、これらの条文の適用対象からは 外れることになります。 ただ、労働契約法3条2項が「労働契約は、労働 者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考 慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。」 と定めていること等に鑑みても、「他の無期雇用 労働者との間の均衡」という観点を考慮して無期 転換者の労働条件が設定されることは、基本的に は、実質上望ましいことであるといえると思われ ます。 ただし、ここでは、更に、無期転換者と有期雇 用労働者との労働条件の差異という問題について も考慮する必要があると考えられます。つまり、 無期転換後も有期雇用労働者の場合と業務内容等 が変わらないにもかかわらず、無期転換者の労働 条件のみが有利なものに設定され、有期雇用労働 者と比較した場合に労働条件に差異があるという 状態になれば、今度はそのこと自体が上記の短時 間・有期雇用労働者法8条・9条への違反(有期雇 用労働者への不合理な待遇、差別的取扱い)とい う問題を生じる可能性もないわけではないと考え られますので、この点にも注意が必要でしょう。 以上 兵庫県経営者協会には経営側の視点で活動する「兵庫県経営法曹会」の メンバーが多数在籍しています。そんな弁護士陣に日頃のお悩みを相談 しませんか? 企業経営に関わることであれば、どんなことでも結構です。安心して相談 できる弁護士をご紹介しますので、是非、ご活用ください。 当協会ホームページのインフォメーションにある右の画像をクリックしてください。⇒ https://www.hpea.jp 兵庫県経営者協会 初回無料 (60分程度) 13 兵庫経協2023年春号

青年部会は1月新年例会を長田にある“焼肉だるま”で1月11日(水)に開催しました。 新年会は例年、部会長一押しのお店で開催することになっており、同店は増田部会長が青年部会に加入 した際の最初の懇親会の場で、おおいに盛り上がったことから、今回の開催につながりました。 3年ぶりとなる新年会には23名の会員が集まり、今年の抱負を語りあいながら、大いに盛り上がりました。 また、今回は株式会社大門様と株式会社森長組様より新たなメンバーが加入し、良い新年のスタートと なりました。まだまだ新会員様を募集しています。ぜひ、事務局までご連絡ください。 青年部会は2月8日(水)に、劇団四季ミュージカル「オペラ座の怪人」を観劇しました。 青年部会として、これまでも宝塚歌劇やシルク・ドゥ・ソレイユなどの観劇も行いましたが、また違う 世界を堪能することができ、CMでよく耳にする「オペラ座の怪人はスゴイらしい」を正に体感できる内 容でした。ちなみにご存じの方も多いと思いますが、今回であればメインの3役を演じる役者が数名ずつお り、毎回その組み合わせは変更されるので、公演毎に観客の感じ方も違ってくるそうです。機会があれば、 また観に行きたいですね。 観劇後は近大マグロで有名な近畿大学水産研究所でマグロやヒラメなどを堪能し、芸術と美食を満喫し た大阪の夜となりました。 青年部会は3月8日(水)に“スピーチ力向上”を目指して学びの例会を 開催しました。 講師に、言の葉OFFICE かのん代表 神戸女学院大学非常勤講師の 川邊暁美様をお迎えし「心に響くトップのスピーチ力」~人を惹きつ ける話の極意~と題し、ご講演いただきました。 川邊様からは、伝わりやすさを左右する要素や話し方の五か条の説 明、上半身をほぐしてからの発声練習など、元アナウンサーならでは の講義を行って頂きました。 また、最後に30秒プレゼンを行い、講義の成果を確認しあいました。 参加者からは「人前で話すことのポイントが知れて良かった」などの感想が聞かれました。 また、例会後は「ザ キッチン サルヴァトーレ クオモ」で今年度最後の例会・懇親会を楽しみました。 ●1月例会報告 ●2月例会報告 ●3月例会報告 講師の川邊暁美様 Report 青年部会・活動報告 14 兵庫経協2023年春号

兵庫県経営者協会 女性産業人懇話会 VAL21 Activity 活動報告 1月例会 2月例会 2月 3月 新年会 ※寒波の影響で中止、代替行事として2月に「会員懇親会」を開催 「VAL21会員と研修受講者との交流会」 ※神戸市女性リーダー育成研修最終回「ロールモデル講演会」内で開催 兵庫県立男女共同参画センター30周年・ひょうご女性未来会議20周年記念フォーラム 「人生100年時代の男女共同参画~誰もが認め合い、支え合い、つながり合う未来へ~」 ひょうご・こうべ女性活躍推進企業認定「ミモザフォーラム」 ※兵庫県受託「女子大学生向けキャリア形成支援事業」の一環で協力 【日 時】2023年2月21日(火) 18:00~20:00 【会 場】TOOTH TOOTH maison 15th 【参加者】会員13名 【日 時】2023年2月7日(火) 13:30~16:30 【会 場】神戸市男女共同参画センター あすてっぷKOBE 【ファシリテーター】㈱ICB 代表取締役 (同)WLBC関西 代表社員 瀧井 智美 氏 【参加者】会員・神戸市研修受講者42名 【プログラム】①ロールモデル講演会(講師:ネスレ日本㈱ 執行役員 嘉納 未來 氏) ②VAL21活動紹介(㈱デンソーテン 池上代表幹事) ③VAL21会員と研修受講者との交流会 ※パネルディスカッションにおいて、㈱デンソーテン 池上代表幹事がパネリストとして、 VAL21の創設に携わられた、ひょうご女性未来会議代表・初代県立女性センター所長 清原氏がコーディネーターとして登壇 【日 時】2023年2月1日(水) 13:30~16:00 【会 場】神戸クリスタルホール 【参加者】約100名 【プログラム】①オープニングトーク(登壇者:学生、起業家、地域おこし等地域で活躍する女性5組) ②基調講演「人生100年時代の女性の生き方、働き方」(講師:元厚生労働省雇用均等・児童 家庭局長、元㈱資生堂代表取締役副社長 岩田 喜美枝 氏) ③パネルディスカッション(コーディネーター:ひょうご女性未来会議代表・初代県立女性 センター所長 清原 桂子 氏/登壇者:岩田講師、地域活動支援者、企業人、学生) だれもが活躍できる職場づくり、女性のキャリア形成や登用・定着促 進などに積極的に取り組む企業を兵庫県・神戸市が「ミモザ企業」として 認定し、広く公表する新制度が始まりました。 【日 時】2023年3月10日(金) 12:50~15:45 【会 場】兵庫県公館 大会議室 【参加者】187名 【プログラム】①ウェルカム演奏 ②開会あいさつ(齋藤兵庫県知事、小原神戸市副市長) ③プラチナミモザ企業・ミモザ企業 認定証授与式 ④基調講演「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント~SDGs達成のために企業に求めら れる役割~」(講師:国連女性機関UN Women日本事務所長 石川 雅恵 氏) ⑤トークセッション(ファシリテーター:㈱ICB 代表取締役・(同)WLBC関西 代表社員 瀧井 智美 氏 /登壇者:石川講師、齋藤兵庫県知事、ミモザ企業を代表して取組発表企業3社) 女性産業人懇話会(VAL21)は、新しい時代の求める働く女性のあり方を目指した 研究・相互啓発・後輩の育成に努めることを目的に、メンバーのみならず働く女性 や女子学生のキャリア形成や自己啓発の支援、「女性活躍」「女性管理職登用率上昇」 「女性が働き続けやすい職場」づくりの推進の実現に向けて、様々な活動をしています。 15 兵庫経協2023年春号

皆様は、歯科技工士をご存知でしょうか? 今、おそらく殆どの歯科医院内には歯科技工士 が勤務しておらず、患者さんとはほぼ会う機会が ありません。では、その歯科技工士はどのように 仕事をされているのでしょうか? 我々歯科医師が、患者さんの詰め物、被せもの、 入れ歯(以下補綴物)を作成する際には、歯型を とります。(特殊な例では、お口の中をスキャナー で歯型をとることもあります。)その後、歯科技 工所の方が歯科医院に来て模型を引き取り、持ち 帰った患者さんの模型上で補綴物を作ります。そ して、できたものを歯科医院に持参または郵送な どにより納品を行います。 このように、歯科技工士は歯科医院の裏で重要 な仕事をされておられ、歯科医院のチームの一員 としてなくてはならない存在です。 その歯科技工士が人材難の危機的状況であるこ とを皆様ご存知でしょうか? 現在日本では、少子高齢化に伴い多くの職種で 人材難に苦しんでいます。その中で、マスコミ等 が取り上げる職種に関してはご存知かと思います が、歯科技工士の問題をあまり私は目にしたこと がありません。しかし、実はこの問題は国会で取 り上げられたことがあるのです。 また、我が国の少子高齢化に伴い歯科技工士の 高齢化が進み半数が50歳以上です。歯科技工士は 国家資格であるため、養成学校を卒業して国家試 験を受けることになるのですが、年間約800人の新 技工士が誕生する中、5年以内に離職される方が約 7割となっています。つまり、資格取得から5年以 上歯科技工士として仕事をされている方が3割の 約240人です。もちろん全国で。 ではなぜ、若い世代の技工士は離職してしまう のでしょうか? その大きな要因は、長時間労働・低賃金にあり ます。仕事を終わらせるには残業になり、過労死 ラインが月80時間とされている中、それを超えて いるのは約3割と言われています。可処分所得に 関しては、年収300万円以下が5割を超えていると のデータがあります。これらの労働状況は、今の 若い世代の方々には到底受け入れてもらえないで しょう。そして、歯科技工士を目指す人数が減少 している中で、養成学校も定員割れ、または廃校 になったケースもあります。 日本の歯科医療の殆どは保険診療で行われてい ます。歯科技工所に支払われる歯科技工料は、保 険で決められた価格の目安として3割となってい ます。国民の医療費全体は年々増加しているのに、 歯科医療費は殆ど上がらず(少し上がっているが、 殆どは貴金属代の物価上昇で無くなってしまいま す。)これでは、歯科医院として技工料を上げるこ とができないのが現状です。また、歯科技工士の 中には、保険診療の技工をやめ、自由診療の技工 のみを扱うところもあります。中には、日本では 所得が少ないので、海外向けに(特に欧米ではア ジア人の方が手先が器用なので重宝される傾向に ある)仕事をされる方もいます。海外では歯科技 工士は資格なしでもできる国もあるのです。 これらの現象が進むと、保険診療の技工物(補 綴物)は海外製(中国東南アジア等)になること も(既に中国製もあるそうなのですが)考えられ ます。これは、遠い将来の話ではなく、今そこに ある危機的な状況です。実際、私の診療所からお 願いしている技工所さんは、令和4年から入れ歯 の納期が長くなってしまいました。理由は人材不 足です。もう限界状態と言っても過言ではありま せん。 歯は大事と近年言われるようになりました。認 知症、糖尿病、心筋梗塞、動脈硬化、フレイル、 介護予防なども「健康の源は健口」と言われるよ うになりました。また、令和4年に出された政府の 「骨太方針」の中にも「国民総歯科健診」という文 言もあります。 歯科医療において絶対に必要な歯科技工士が不 足している現状を解決できないと、質の良い歯科 医療を国民に提供することはできないでしょう。 今回の寄稿により、皆様がこの問題を少しでも 考えていただけるきっかけになれば幸いです。 【歯の健康シリーズ】 T O P I C S 近い将来の歯科医療問題 (歯科技工士不足の問題) 兵庫県歯科医師会 地域保健委員会委員 枡田 秀行 16 兵庫経協2023年春号

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