「兵庫経協」2024新年号

兵庫経協 兵庫県経営者協会 PREFECTURAL EMPLOYERS´ ASSOCIATION HYOGO N o. 3 9 2 2024 Winter

ラナンキュラス L-1 (29.5x15.7cm 2023年 銅版画) 早春に花屋の店頭を彩るラナンキュラスの花。 すぐそこまで春が来ていると感じさせ、元気になる気がします。 新たな年が、明るい年になることを願います。 【表紙の作品】 【作家/古 ふる 本 もと 有 あ 理 り 恵 え 】 幼少期より現在に至るまで神戸市在住 京都市立芸術大学 版画専攻卒業 同大学大学院 版画修了 1993年 「’93兵庫の美術家」展[兵庫県立近代美術館] 1999年 第4回高知国際版画トリエンナーレ 準大賞(96年優秀賞) 2002年 個展 西脇市岡之山美術館 アトリエ(兵庫) 2004年 個展 ギャラリーA.C.S(名古屋)以降隔年開催 2010年 個展 ギャルリプチボワ(大阪)以降隔年開催 作家からのコメント ・新年ご挨拶 兵庫県経営者協会 会長 成松 郁廣‥‥‥ 1 一般社団法人日本経済団体連合会 会長 十倉 雅和‥‥‥ 2 兵庫県知事 齋藤 元彦‥‥‥ 3 神戸市長 久元 喜造‥‥‥ 4 兵庫労働局 局長 金刺 義行‥‥‥ 5 神戸商工会議所 会頭 川崎 博也‥‥‥ 6 日本銀行神戸支店 支店長 竜田 博之‥‥‥ 7 ・労働政策ニュース‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8 ・大学生インターンシップ推進事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9 ・経協レポート ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10-13 ・労働問題Q&A ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14-15 ・青年部会・活動報告 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16 ・女性産業人懇話会 VAL21 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17 ・TOPICS 歯の健康シリーズ 健康で長生きするために!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

新 年 の ご 挨 拶 明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 さて世界情勢は、東西冷戦終結後のパクス・アメリカーナの下平和と安定に向かう世界から、 混とんとした分裂と紛争の時代へと逆戻りしかねない情勢になっています。加えてアメリカを経 済力で追い抜く勢いだった中国経済の変調など、日本社会・経済を取り巻く環境は、まさに何十 年かに一度の激動に直面しています。 こうした中、日本経済は失われた30年といわれる低迷期を脱して、再び成長に向けた好循環を 生み出す転機にあります。政府による種々の経済対策や日銀の金融政策の行方がカギを握ってい ますが、現在世間の注目を集めているのは、今春の賃上げ交渉です。経団連の十倉会長は昨年 の賃金交渉に際して、「デフレからの脱却と人への投資促進による構造的な賃金引き上げを目指 した企業行動への転換を実現する正念場かつ絶好の機会」との考えを明らかにしており、政府の 「賃金と物価の好循環」を形成し、「新しい資本主義」を実現するという方針と軌を一にしていま す。今年も、政府並びに経団連の方針に変更はありません。 賃金引き上げの基本原則は、①様々な要素を勘案したうえで、②適切な人件費の総額を前提に、 ③自社の支払い能力を踏まえ、④労使協議または自主的判断により、決定するということです。 さらに賃金引き上げ実施に際しては、⑤どのような形で賃上げするか、賃上げの原資配分の仕方 についても、慎重に検討する必要があります。何故ならば、せっかくの賃金引き上げを、従業員 の意欲を高めることに役立てたいからです。当協会としては、できる限り会員に情報を提供して いきたいと思います。 話は変わりますが、当協会は、昨年12月に開催した理事会において、法人化に向けた検討を進 めることを決議しました。法人化は、当協会の組織体制の強化と活動の一層の充実化をめざした もので、会員の皆さまの権利や義務については、基本的に変更を加えることは考えていません。 3月の理事会で、法人化についての具体案を提案しご意見をいただいたうえで、5月の総会でご承 認いただくことを目指していますので、何かご意見などがある方は、事務局にお知らせいただけ るように、ぜひともお願いします。会員の皆さまにより役立つ活動を展開できるような組織にな るように、検討を進めてまいりたいと思います。 最後になりましたが、年頭に当たり、会員の皆さま方の当協会の活動に対するご理解とご協力 をお願いするとともに、今後ますますのご発展をお祈りいたします。 新年のご挨拶 兵庫県経営者協会 会長 成 松 郁 廣 1 兵庫経協 2024年新年号

新 年 の ご 挨 拶 謹んで新年のお慶びを申し上げる。 コロナ禍を乗り越えた今、日本経済は、企業の強い設備投資マインド、継続的な賃金引上げの モメンタム、消費の拡大などに支えられ、長きにわたる低迷から脱する明るい上向きの力が生じ ている。2024年は官民が連携して経済のダイナミズムを取り戻し、30年来のデフレからの完全脱 却を実現する歴史的な転換の年としたい。 カギとなるのは、生態系の崩壊や格差の拡大・固定化・再生産といった、我々が直面する深刻 で複雑な社会課題の解決を通じた、持続的な経済成長の実現である。これまで経団連会長とし て、「サステイナブルな資本主義」の実践を目指し、企業自らが「成長と分配の好循環」をけん引 すべく取り組んできた。引き続き、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランス フォーメーション(DX)、スタートアップ振興等を柱に、イノベーション創出、生産性向上、産 業競争力強化を通じた力強い成長の実現を目指す。 分配の観点からは格差問題の解決に向けて、多くの人々が豊かさを実感し希望がかなえられる よう「分厚い中間層」の形成に取り組む。そのためには、「マクロ経済政策」「社会保障・税制」「労 働政策」の3つの政策分野について、官民連携の下、全体感をもって一体的に取り組むことが肝要 である。とりわけ現役世代の将来不安を払拭するために、公平・公正で安心な全世代型社会保障・ 税制の構築が急務である。構造的な賃金引上げの実現に向けて、30年ぶりとなる高水準を記録し た昨年以上の熱量と決意で取り組んでいく。 世界に目を転じれば、国際情勢がますます混迷を深める中、わが国が果たすべき役割は大きい。 経団連は民間経済外交を推進し、自由で開かれた国際経済秩序の再構築を働きかける。開幕まで 500日を切った2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、「いのち輝く未来社会のデザイン」を テーマに掲げている。コロナ禍を経験し、世界各地で紛争・戦争が続く今こそ、生命の尊さと連 携の大切さをわが国から世界に発信すべく尽力してまいりたい。 今日ほど官と民の連携が求められる時代はない。経団連は政府と力を合わせて成長と分配の好 循環の実現に取り組んでいく。会員の皆様のご理解と一層のご支援をお願い申し上げる。 以 上 一般社団法人 日本経済団体連合会 会長 十 倉 雅 和 官民連携でデフレから完全脱却し、 「成長と分配の好循環」を実現する 〜経団連会長新年メッセージ〜 2 兵庫経協2024年新年号

新 年 の ご 挨 拶 新年あけましておめでとうございます。 昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、社会経済活動が正常化しました。その一 方で、物価高騰や円安は依然として私たちの暮らしに影響を及ぼしています。 こうしたなかでも、阪神タイガース、オリックス・バファローズ、ヴィッセル神戸の活躍は、 私達に感動を与え、地域に元気をもたらしてくれました。 選手達のはつらつとしたプレーのように、令和6年の県政も、だれもが夢や希望を持って挑戦 できる社会をめざし、「攻めの県政」を展開する一年にしたいと思います。 まずは、若者・Z世代への支援です。 兵庫県立大学・大学院の無償化や奨学金返済支援の拡充など、結婚・出産のハードルにもなっ ている教育費の負担を軽減します。また、海外への留学等を支援し、国際視野を得る機会を広げ ます。不妊治療支援や若い世代に向けた住宅支援の充実など、兵庫で子どもを生み、育てたいと いう希望を叶える環境づくりも進めます。 高齢者の安全安心な暮らしを守ります。 特殊詐欺被害が過去最悪のペースで増加するなか、被害者の8割を占める高齢者を被害から守 るため、全国一の規模で集中的に対策を強化します。自転車ヘルメットの購入支援を行い、高齢 者に多い自転車死亡事故の減少につなげます。また、ソフト・ハード両面からユニバーサルツー リズムを進め、年齢や障害の有無に関わらず安心して旅行ができる社会を実現します。 地域のポテンシャルを活かし、兵庫の持続的発展につなげます。 人と環境にやさしい農業、革新に挑む地場産業、地域に根付く芸術文化など、兵庫各地の人々 の営みには、世界が持続可能な発展を遂げるための多くのヒントがあります。大阪・関西万博を機 に、こうした現場に国内外の人々を誘う「ひょうごフィールドパビリオン」の取組を加速します。 また、脱炭素社会実現の鍵となる水素エネルギーの活用や、有機農業の拡大に向けた担い手育成 など、持続的な成長を支える取組を先導します。 県政推進にあたり、現場主義の徹底と対話重視の姿勢に変わりはありません。これまで以上に、 現場に足を運び、地域の皆様との対話から出てくる課題やニーズを積極的に施策に反映していき ます。 兵庫の新たなステージに向け、果敢に取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をよ ろしくお願いいたします。 兵庫県知事 兵庫の新たなステージへ 3 兵庫経協 2024年新年号

新 年 の ご 挨 拶 新しい年を迎えるにあたり謹んでご挨拶を申し上げます。 2023年は、新型コロナウイルスが感染症法上の2類から5類へ変更され、日常生活へ回帰する目 途が立ちました。この危機を乗り越えられたのは、医療従事者のみなさんの献身的なご尽力をは じめ、多くの方々にご協力いただいたおかげです。心より感謝申し上げます。 一方で、少子高齢化や東京一極集中などウイルス出現前からの課題は存在し続けており、人口 減少時代における政策展開が求められます。 神戸市では、人口減少幅を抑制する取り組みとして、若年世代にとって魅力的なまちであり続 けるよう、切れ目ない子育て支援をはじめ、スタートアップ施策や企業誘致といった魅力的な産 業創出、郊外拠点駅周辺のリノベーションなどによる暮らしの質の向上、都心三宮・ウォーター フロント再整備など非日常のわくわくするような都市空間形成といった施策を強力に推進してい ます。 市民一人一人が幸せを実感できる、温かみのあるゆったりとしたまちづくりに取り組み、「海と 山が育むグローバル貢献都市」の実現に向け、果敢に挑戦していきます。 本年5月17日には、東アジアで初めてとなる世界パラ陸上競技選手権大会が神戸で開催されま す。障がいや多様性に対する理解が深まり、共生社会をつくっていくきっかけとなる大会にする ため、取り組みを進めていきます。市民のみなさんにも、ボランティアや大会広報など広くご協 力いただき、共に大会を盛り上げていただくようお願いします。 また、2025年には大阪・関西国際万博の開催や神戸空港の国際チャーター便運用が始まりま す。観光・ビジネス需要の創出を推進し、市内経済に波及させながら、国際都市神戸としての価 値を一層高めていく取り組みを推進していきます。 現在神戸市では、市が目指すまちの将来像や方向を描く新たな総合基本計画の策定を進めてい ます。是非みなさんからも神戸の未来についてご意見をいただき、神戸市政に対し、ご理解とご 協力を賜りますようお願い申し上げます。 末筆ではありますが、本年がみなさんにとって、すばらしい一年となりますことをお祈りいた します。 神戸市長 新年に寄せて 4 兵庫経協2024年新年号

新 年 の ご 挨 拶 新年あけましておめでとうございます。 兵庫県経営者協会並びに会員の皆様方におかれましては、心穏やかに新年をお迎えのことと お慶び申し上げます。また、労働行政の推進につきまして、平素から多大なるご理解とご協力を いただいておりますことに深く感謝申し上げます。 さて、県内の雇用情勢は、有効求人倍率が令和5年7月に14か月ぶりに1倍を下回ってから は、1倍前後で足踏み状態が続くなど、物価上昇等が雇用に与える影響について、引き続き注視 する必要があります。 このような情勢の下、兵庫労働局におきましては、ハローワークと労働基準監督署、そして労 働局本局とが一体となり、すべての人が活躍し働きやすい環境の整備に努めてまいります。ま た、新しい資本主義の実現に向け、物価高騰に負けない構造的な賃上げ・人手不足の克服を目指 し各種対策を推進してまいります。 平成31年4月から順次施行している「働き方改革関連法」については、完全施行が本年4月に 控えております。引き続き法令の趣旨・内容の周知を図ることはもとより、「長時間労働の是正」 や「多様な働き方の実現」に向けて、事業所へのきめ細かな支援を行ってまいります。 兵庫県最低賃金については、昨年10月1日に初めて千円台となる時間額1,001円に改定され、 積極的な周知と賃金引上げに向けた支援、履行確保に努めてまいります。 また、人材開発支援助成金「人への投資促進コース」などを活用して、デジタル人材をはじめ とする企業内での人材育成に取り組む事業主に対して支援に努めてまいります。 さらには、人手不足への対応が急務となる中で、「年収の壁・支援強化パッケージ」において、 キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を新設し、短時間労働者が被用者保 険の適用による手取り収入の減少を意識せず働くことができるよう、取り組みを行う事業主に 対して支援を行ってまいります。 これらを始めとする諸施策が効果的に推進されるためには、個々の企業や経済界の皆様方の ご理解とご協力が不可欠です。引き続き、労働行政へのご支援をよろしくお願いいたします。 最後になりますが、貴会並びに会員の皆様方の益々のご健勝と、本年が明るい年となりますこ とを祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。 兵庫労働局長 金 刺 義 行 令和6年 年頭のあいさつ 5 兵庫経協 2024年新年号

新 年 の ご 挨 拶 明けましておめでとうございます。 本年が希望に満ちた素晴らしい年になりますよう心よりお祈り申し上げます。 昨年は、ビヨンドコロナのステージへと大きく転換し、イベントの復活や観光客の増加を通じ て、まちに賑わいが戻ってきました。一方、様々な価格高騰や人手不足の影響、世界経済の分断・ 紛争などにより内外とも先行き不透明な状況にあります。こうした中、神戸商工会議所は中小企 業と地域経済の発展を図るべく、3つの分野で活動を進めてまいります。 第一は「中小企業の持続的成長への支援」です。 これまでの伴走型の経営支援、事業再生・承継支援に加え、若者や外国人材を含む多様な人材 確保の支援、価格転嫁の後押し、現場実践型のデジタル化推進など人手不足対策、生産性向上に 向けた支援に一段と注力してまいります。 また、ものづくり企業の工場などを公開するオープンファクトリーを神戸市と共同で実施し、 地場の産業の現場を体感してもらうことで、将来の担い手確保や中小企業の魅力発信に繋げてい きます。 第二は「新たな企業価値創造」です。 企業や産業が成長するには、従来の延長線上ではない「変化・変革」に挑むことが必要です。 そのためには複数の企業が連携し、神戸医療産業都市や水素スマートシティ神戸構想など最先端 の産業集積と相乗効果を生み出していくことも重要です。関係機関と緊密な連携のもと、これら の成長分野の取り組みを促進し、新たな企業価値創造を目指します。 第三は「万博、空港国際化に向けた交流促進・都市機能強化」です。 神戸にとって大きな節目となるのが、2025年の大阪・関西万博、神戸空港の国内線増便、国際 チャーター便の運用開始です。神戸商工会議所では、万博会期中に全国商工会議所などの神戸来 訪を呼びかけ、両地域のビジネス交流を図る「KOBE BUSINESS EXPO2025」という取り組みを 打ち出しました。神戸市以西も含めた都市間連携にも力を入れ、精力的にプロモーションを行っ ていく所存です。また、2030年前後の神戸空港の国際定期便就航を確実なものとし、その効果を 最大限に発揮させるために、都市機能強化に向けた提案にも力を入れます。 これらは、私がスローガンに掲げている「行きたい、住みたい、働きたい、一歩先を行く元気 な神戸へ」の実現を目指すものです。未来を担う若い人にとって、神戸が魅力的であってほしい 「For Future KOBE」という考えのもと、全力で取り組んでまいりますので、本年もお力添えを 賜りますようお願い申し上げます。 神戸商工会議所 会頭 川 崎 博 也 行きたい、住みたい、働きたい、一歩先を行く元気な神戸へ - For Future KOBE - 6 兵庫経協2024年新年号

新 年 の ご 挨 拶 皆様におかれましては、2024年の新春を迎えられ、謹んで新年のお慶びを申し上げます。 昨年の兵庫県経済を振り返ると、一部に弱めの動きがみられたものの、緩やかに回復しました。 企業の生産・輸出では、当地の生産面への影響が大きい中国向けで弱さがみられましたが、完成 車メーカーの生産回復などもあり、横ばい圏内の動きとなりました。この間、設備投資が増加し たほか、個人消費も、経済活動の正常化を受けたペントアップ需要等が牽引する形で、緩やかに 回復しました。 本年を展望すると、わが国の景気の回復は続くとみており、兵庫県も基本的に同様の動きとな るとみています。もっとも、こうしたシナリオについては、海外経済の動向や地政学的リスク等 を踏まえると、不確実性がきわめて高いことにも留意が必要です。また、国内では、輸入物価上 昇の消費者物価への転嫁が進むなか、賃金の上昇が追い付かず、個人消費を抑制することがないか、 といった点は懸念材料です。物価の見通しについても、経済の先行きと同様、不確実性が大きい ですが、わが国経済が持続的な成長経路に復帰するためには、持続的・安定的な賃金の上昇が不 可欠となります。県内においても、本年の春季労使交渉の帰趨や、賃金等の上昇を念頭に置いた 販売価格の設定スタンスの強化やその広がりを確認したいと思っています。 本年は、来年に迫った大阪・関西万博に合わせて、神戸空港の国際線化やひょうごフィールド パビリオン等の取り組みも更に加速すると思います。また、水素産業の強化に代表される、先進 的なモノ作り県としての脱炭素化に加え、医療産業やDX推進によるIT関連企業の集積等の更な る推進も期待されます。日本銀行としては、こうした企業の前向きな取り組みを、物価と金融シ ステムの安定を通じて支えていくとともに、神戸支店としてもしっかりフォローしたいと思って います。 今年の干支である辰(たつ)は、これまで準備してきたことが形になるといった、縁起の良い年 とされています。皆様方にとりましても、これまでの取り組みが更に大きな成果を引き出す年と なることを祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。 日本銀行神戸支店長 竜 田 博 之 新年のご挨拶 7 兵庫経協 2024年新年号

昨年10月より施行、ただし、2025年予定の年金制度改正までの時限措置。 事業主ごとの対応が求められます。 少子化対策として昨年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」の基本理念の一つとして「若い世代 の所得を増やす」があり、今後3年間の集中的な取組でライフステージを通じた子育てに係る経済的支援 の強化や若い世代の所得向上に向けた取組を掲げ、「いわゆる 106 万円・130 万円の壁を意識せずに働く ことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き続き取り組 む」としています。 そして、これを受けた施策が「年収の壁・支援強化パッケージ」です。 「年収の壁・支援強化パッケージ」の概要 「年収の壁・支援強化パッケージ」の詳細は厚生労働省ホームページの特設ページをご覧願います。 今回のパッケージはいずれも労働者への直接の対応は事業主が行う事となっており、実施の判断も事業 主に委ねられています。 また、時限的な措置であり、「社会保険適用促進手当」の支給を行う場合は終期を意識した就業規則(賃 金規則)の改訂が必要です。 「106万円の壁」への対応は社会保険への加入が前提となり、手取り額が減った分を補填するもので、 「130万円の壁」への対応は一時的に社会保険への加入を免除するものですが、年金制度改正予定の2025年 までの時限措置なので、先が見通せない中での対応が求められています。 事業主に判断を委ねられているこの施策ですが、各事業所で働くパート従業員に正確な情報を伝え、自 身の働き方に納得して仕事を続けてもらう事が重要でしょう。 少子化対策を目的としたこの「年収の壁・支援強化パッケージ」ですが、労働力不足への対応や男女の 賃金格差の実質的な是正といった側面もあります。 「年収の壁」は社会的に克服すべき問題と言えるでしょう。َ ফઽभ෢ُ षभਊએभৌૢੁ َق ফઽभ෢؞੍ ରਘ৲ঃॵॣ ش ४ُ ك ໪ਏ যুਂ ଌषभৌૢ ऋ૶ਜधऩॊরदؚ ಢৎ৑ௌ௮঻ऋَ ফઽभ෢ُ॑ ਔ௙चङ௮ऎऒधऋदऌॊ୭୆तऎॉ੍॑ ରघॊञीؚ ਊએभৌૢ धखथৣ ੶઱ੁ ੍ق ରਘ৲ঃॵॣ ش ४ ك प਄ॉੌ िऒधधखؚ औै पؚ ਑২भৄ ઉखप਄ॉੌ ि؛ ਐ৞भ෢षभৌૢ ٷ य़কজ॔॔ ॵউஃਛস य़কজ॔॔ ॵউஃਛসभ ش॥ ५॑ ৗਝखؚ ಢৎ৑ௌ௮঻ऋ଺৷঻৳૫ ق ௐেফস৳૫؞௏೨৳૫ ك भి ৷पे ॊু ਄ॉઽোभ੖૘॑ ਔ௙चङ௮ऎऒधऋ दऌॊे अؚ ௌ௮঻भઽো॑ ੜਸऔचॊ਄ੌ॑ ষढञ হ঵਌पৌखथؚ ௌ௮঻ ڭ যਊञॉਈপ50ਐ৞भ੍ ର॑ ষअ؛ऩउؚ ৰ઱पਊञॉ੍ؚ ஔணடभহਜ॑ ලಞ৲؛ ௌ௮঻भઽো॑ ੜਸऔचॊ਄ੌ पणःथमؚ ൛঱ऑृ ਚ৒ௌ௮ৎ৑भభশभऺ ऊؚ ଺৷঻৳૫ి ৷पൣ अ৳૫મ଀૿ೄ੖भञीभু ਊ ق ঺ভ৳૫ి ৷യਤু ਊ ك धखथ੍ؚ ஔघॊৃ়ु ৌ଴धघॊ؛ ٷ ঺ভ৳૫ి ৷യਤু ਊ হ঵਌ऋ੍ ஔखञ঺ভ৳૫ి ৷യਤু ਊपणःथमؚి ৷पਊञढथभௌઞ൨্ भ৳૫મ଀૿॑ ೄ੖घॊञीؚ ৗञप৅েखञময଀૿ীभ৳૫મৼਊપ॑ ঱଒धखथ ଺৳૫঻भఏ૆ਾີ भ઴৒पउःथઅൟखऩः؛ ਐ৞भ෢षभৌૢ ଦ၉঻ু ਊषभৌૢ ٷ ੫঵भଦ၉঻ু ਊभৄ ઉखभയਤ્ पর৵੫঵पउःथुؚ ଦ၉঻ু ਊभৄ ઉखऋ ਤिे अؚ ৄ ઉखभু ದ॑ ইট ش ॳক ش ॺदં घಉ ॎऊॉृ घःৱમ॑ ੿ਛ؞ਁ ਀खञ؛ র৵੫঵੮৬ಉ॑ৢ गथఢੴघॊ؛ ٷ হ঵਌भ઒৥पे ॊ଺ჰു ঻ੳ৒भ৞ෟ৲ ଺ჰു ঻ੳ৒੦૆ ق ফઽ130ਐ৞ ك पणःथؚ ௌ௮ৎ৑భশಉपൣ अ঳ৎ৓ऩઽো૗৿पे ॊ଺ჰു ঻ੳ৒भਖ਼૵प੠खؚ হ঵਌भ઒৥भ๣હपे ॊ ဌசऩਖ਼૵॑ ૭ચधघॊ؛ ঱੶भऺ ऊؚ ਝ૟਺ৱಉपे ॉহ঵ৃ ৔ਈ଩൛সभਬ঱ऑप਄ॉੌ िর৵੫঵ಉपৌघॊஃਛস ق ঵ਜ੝ఒஃਛস ك भણ৷ु യਤ؛3 労働政策ニュース 特 集 「年収の壁・支援強化パッケージ」への対応。 8 兵庫経協2024年新年号

【日 時】2023年11月16日(木) 13:30〜16:30 【会 場】兵庫県経営者協会会議室(対面開催) 【参加者】27社・28名 ※申込者多数につき12/14(水)にも同じ内容で追加開催 【日 時】2023年12月14日(木) 13:30〜16:30 【参加者】20社・21名 【プログラム(予定)】 ◆専門家による講演 ◆今年度の活動報告と次年度の取り組みの説明(姫路経営者協会、兵庫県経営者協会) ◆2024年度からの「ひょうごインターンシップシステム」リニューアルご案内 ◆希望者による「企業と大学の交流会」 お申込み方法他につきましては決定次第「兵庫県インターンシップシステム」ホームページに掲載いた します。是非ともご登録企業の方にはご出席の程よろしくお願い申し上げます。 2024年2月21日(水) 13:00~16:30(予定) 対面開催/ホテルクラウンパレス神戸 (ひょうごインターンシップシステム登録企業・学校を対象) 「2024年度インターンシップ説明会&企業と学校の交流会」開催決定! アフターコロナの影響もあってか、多くの企業から「学生のインターンシップの参加者が集まらない」と いった多くの声が届き、我々コーディネーターも学生の行動様式に変化が生じた印象を感じていました。 そのため、企業側の立場から、改めて最近の学生の動きを踏まえつつ効果的なインターンシップの実現を 目的にセミナーを以下の通り企画・実施しました。 ※2023年11月末時点、登録数以降は全て内数を記載 〈企業〉【登録】335社:【募集】86社 → 学生エントリーと企業選考を経て【実施決定】34社 〈学校〉【登録】240校:(インターンシップ)参加を決定した学生の【所属校】83校 〈学生〉【 登録】824名:【エントリー】延べ558名 → 企業選考を経て【参加決定】延べ346名 ❶ 2023年度 実施状況 ❷ 企業向けインターンシップ勉強会 【講師紹介】組織活性化コンサルタント/CDAひらやま事務所 代表/平山 展也 氏 大学卒業後、メーカーを経て、大阪府下の商工会議所に入所し7年で約2,000件の経営コンサルティングに従事。 2011年に独立。現在企業においては採用・定着・戦略化を支援。また関西の50校以上の大学をサポート、5万人以 上の学生の就職を支援。 【主な内容】 ·企業に求められるものは…『採用』『定着』『戦力化』の仕組みを構築すること。 ·「 24卒の採用動向、25卒の採用計画」…「生き残る会社の条件」「中小企業のメリット・デメリット」「選ばれる企 業とは?」といったテーマに関し学生からのリアルな声をまじえながら解説。 ·「 WEBを活用した採用(WEBを活用したインターンシップの導入や事例紹介など)」「応募者、従業員をタイプ 別診断する簡易方法」とそれに沿った戦略的な対人スキルの紹介 【参加者の感想】 · 兵庫県各地から、多種多様な業種の企業が集まりグループワーク通して自社の強みもより明確になり、今まで 気づけなかった採用の際の自社の強みとアピール方法を学び、採用活動の方針がまとまった。 · Z世代の学生のリアルな声(会社を選ぶ基準・先輩社員のコメントがないと学生の心は動かない)を知ることが でき、学生の視点に立った自社プレゼンが重要だとわかった。 INTERNSHIP 大学生インターンシップ 推進事業 9 兵庫経協2024年新年号

経協レポート ●12月度 理事会・講演会等について 12月12日(火)にホテルクラウンパレス神戸において、三役会・理事会・会員 報告会・講演会・交流会を開催しました。 理事会では、当協会の一般社団法人化について審議し、法人化を目指して具 体的な検討作業を進めることについてご承認いただきました。また、会員報告 会では、田中副会長、女性産業人懇話会(VAL21)から森下副代表幹事、松嶋 氏、深田氏が同会の活動報告並びに会員募集についてご発言いただきました。 その後の講演会では神戸大学経済経営研究所 准教授 江夏 幾多郎氏に『「不安」の時代の雇用関係 〜企 業と従業員の合意に基づく人事改革に向けて〜』と題して、ご講演いただきました。また交流会には江夏 准教授をはじめ、50名の方々にご参加いただき、交流を深めていただきました。 ●総務委員会 〈体験型健康経営研修会〉 2023年10月25日(水) アシックスジャパン関西オフィス 参加者13名 アシックス社「アシックスヘルスケアチェック」の体験を通して、健康経営の施策の一つとして検討す る機会を得た。また健康経営に関する悩み事について、参加企業間で意見交換を行った。 〈第58回経営改善視察研究会(長崎)〉 2023年11月10日(金) 長崎県東彼杵郡 他 参加者17名 多様な人材が活躍する高精度切削企業/㈱ウラノ、自動車の一貫処理を通してSDGsに取り組む/㈱吉 川金属商事を見学。長崎県を代表する企業の 見学を通して長崎県の地域創生なども学ぶ機 会を得た。 〈第103回総務委員会ゴルフコンペ(長崎)〉 2023年11月11日(土) オーシャンパレスゴル フクラブ 参加者12名 絶好のゴルフ日和の中、大村湾を望むシーサイドゴルフコースで開催し、優勝は㈱神溶 代表取締役の筒 井章人さんでした。 〈企業防衛セミナー〉 2023年12月19日(火) 兵庫県経営者協会 会議室 参加者20名 本セミナーは兵庫県警察の協力を得て毎年実施しており、今年は「暴力団対策と薬物犯罪の実情」につ いて講話いただきました。 企業への不当要求への対応や、大麻が一般市民、特に若年層に広がっている実態を学ぶ機会となりました。 ●税経委員会 〈正・副委員長会議〉 2023年10月20日(金) 兵庫県経営者協会 会議室 10:30〜11:30 議題 2023年度上期事業活動報告 2023年度下期事業計画、次年度の課題と日程調整について 江夏講師 10 兵庫経協2024年新年号

KEIKYO REPORT 〈経理懇話会〉 第233回例会 2023年11月22日(水) 兵庫県経営者協会 会議室 参加者35名 14:00〜17:00 「インボイス制度開始後の現状と課題」 丸尾カルシウム㈱より発表・問題提起、後全員にて討議検討 〈税経特別研修会〉(税経委員会・経理懇話会第234回例会合同開催) 2023年12月7日(木) 神戸三宮東急REIホテル 参加者50名 (研修)13:30〜17:20 ①「改正リース基準」 シニアマネージャー 新開 朋春 氏 ②「テクノロジーと経理」 ディレクター 生田 武則 氏 ③「人的資本経営における財務経理部門への期待と役割」 ディレクター 田村 秀俊 氏 ④「財務経理部門・業務のBCP対応について」 事業部長パートナー 公江 祐輔 氏 ⑤「DXにむけて(税制改正をふり返る)」 講師・①から④・・・あずさ監査法人 アドバイザリー統括事業部 ⑤大阪国税局 調査第一部長 門脇 瞬有 氏 (意見交換会)17:20〜 特別研修会に引き続き、別室にて意見交換会が行われ、調査第一 部長門脇瞬有氏、あずさ監査法人の講師と参加者同士が、和やかに 歓談しました。 ●人材育成委員会 「第一監督者研修会」「第二監督者研修会」 当協会では、主に製造現場の監督者等の職場リーダーを対象に「メンバーとともに職場の問題を発見・ 解決しながら部下育成を進めるとともに、やる気と活気にあふれた職場づくりをリードする監督者・リー ダー」の育成を目指して、監督者研修会を開催しています。 今年度も大・中堅企業の監督者を対象とした「第一監督者研修」と主に中小企業を対象とした「第二監督 者研修」に分かれ、それぞれ49名並びに37名の受講者による1年間の研修を進めています。 【第一監督者研修会】 10月幹事会〈キャタピラージャパン合同会社 明石事業所〉 日時:10月3日(火) 13:30〜17:00 内容:講義「職場の問題解決」、幹事による10月例会打ち合わせ、工場見学 あずさ監査法人 シニアマネージャー 新開 朋春 氏 あずさ監査法人 ディレクター 生田 武則 氏 あずさ監査法人 ディレクター 田村 秀俊 氏 あずさ監査法人 事業部長パートナー 公江 祐輔 氏 大阪国税局 調査第一部長 門脇 瞬有 氏 11 兵庫経協2024年新年号

経協レポート 10月例会〈三菱電機株式会社 神戸製作所 研修センター〉 日時:10月24日(火) 9:00〜17:00 内容:テーマ「職場の問題解決」に係る講義・ワークショップ 11月幹事会〈三菱電機株式会社 神戸製作所 研修センター〉 日時:11月7日(火) 13:30〜17:00 内容:講義「部下の育成・指導」、幹事による11月例会打ち合わせ、工場見学 11月例会〈神戸市産業振興センター 会議室〉 日時:11月21日(火) 9:00〜17:00 内容:テーマ「部下の育成・指導」に係る講義・ワークショップ 12月幹事会〈川崎重工業株式会社 明石工場〉 日時:12月5日(火) 13:00〜17:00 内容:講義「職場の活性化」、幹事による12月例会打ち合わせ、工場見学 12月例会〈神戸市産業振興センター 会議室〉 日時:12月12日(火) 9:00〜17:00 内容:テーマ「職場の活性化」に係る講義・ワークショップ 【第二監督者研修会】 10月幹事会〈菱神テクニカ株式会社〉 日時:10月6日(金) 13:30〜17:00 内容:講義「職場の問題解決」、幹事による10月例会打ち合わせ、工場見学 10月例会〈神戸市産業振興センター 会議室〉 日時:10月27日(金) 9:00〜17:00 内容:テーマ「職場の問題解決」に係る講義・ワークショップ 11月幹事会〈六甲バター株式会社 神戸工場〉 日時:11月10日(金) 13:30〜17:00 内容:講義「部下の育成・指導」、幹事による11月例会打ち合わせ、工場見学 11月例会〈神戸市産業振興センター 会議室〉 日時:11月22日(水) 9:00〜17:00 内容:テーマ「部下の育成・指導」に係る講義・ワークショップ 12月幹事会〈兵庫県経営者協会 会議室〉 日時:12月8日(金) 13:30〜17:00 内容:講義「職場の活性化」、幹事による12月例会打ち合わせ 12月例会〈神戸市産業振興センター 会議室〉 日時:12月15日(金) 9:00〜17:00 内容:テーマ「職場の活性化」に係る講義・ワークショップ 第二監督者研修会 10月例会の様子 研修会におけるグループ毎ワークショップ 第一監督者研修会 10月例会の様子 研修会におけるグループでの発表 12 兵庫経協2024年新年号

KEIKYO REPORT 2023年度「第2回人事・教育担当者交流会」̶ 中堅・中小企業の人事・教育担当者が集い、これからの人材マネジメントや 人材育成について考える交流会- 【日 時】2023年10月13日(金) 15:00〜17:00 【会 場】兵庫県経営者協会 会議室 【参加者】14名 【目 的】 働き方改革の推進、新入社員の採用 と定着、ダイバーシティや生産性向 上の要請、経営幹部や管理職人材の 養成、メンタルヘルス対策等、企業における人材マネジメントに係る課題は益々多様化し、重 要性が高まりつつあります。とりわけ、予算やマンパワーに限りのある中堅・中小企業にとっ てはより大変な問題です。そんな中堅・中小企業の人事・教育担当者の皆様の研鑽と交流を目 的に、ゲストスピーカーによる講義や参加者同士の意見・情報交換を行いながら、ともに人材 マネジメントや人材育成について考える交流会を実施。 第2回は「効果的な職場OJT運用」をテーマに開催しました。 第2回人事・教育担当者交流会 グループ全体でのディスカッション風景 人材確保・再就職・出向をサポート 兵庫事務所 〒650-0022 神戸市中央区元町通6-1-8 東栄ビル1階 TEL 078-366-4252 FAX 078-366-1080 産業雇用 約500人のコンサルタントが全国対応。利用料・紹介料無料 産業雇用安定センターとは 人材を送り出す企業と人材を受け入れる企業との間で様々な 人材マッチングを支援している公的機関です。 サービスのラインナップ 1 人材育成・企業間交流の ための出向支援 3 キャリア人材バンク 2 セミナー事業(有料) 4 人材確保・再就職の 人材マッチング マッチング マッチング 専門性の高い人材を雇いたい、 人材を確保したい 事業の整理・縮小を 検討している 能力・技術を有する 高齢者の雇用を検討 66歳以降もまだまだ 働きたい 新規分野開拓のために 経験者を受け入れたい 他企業での就業経験により 従業員の能力・技術向上を 図りたい ●新入社員研修・フォローアップ研修 ●リーダーシップスキルアップセミナー ●マネジメントスキルアップセミナー ●ハラスメントセミナー など マッチング 約24万人の 実績 13 兵庫経協2024年新年号

経協レポート KEIKYO REPORT 弁護士 普喜 啓 (神戸中央法律事務所) 異動と降格の考え方 営業部門で勤務する50歳代後半の 管理職がいますが、最近勤務態度が悪 く、多くの客先から出入り禁止となり、 業務を任せることができません。 他部門に異動させ、そこで雑務をさせるしかな いので、一般職に降格させたいが、可能でしょうか。 1 降格について (1)降格の種類 降格にはいくつか種類があり、ま ず、降格の根拠で区別すると、懲戒処分として の降格と人事権の行使としての降格があるとさ れます。また、引き下げる対象で区別すると、 職位や役職を引き下げるものと、職能資格制度 上の資格や職務等級制度上の等級を低下させる ものがあるとされます。 このように、一口に降格といっても、さまざ まな種類があり、その内容次第で適法か否かの 判断も異なってきます。以下では、簡単ではあ りますが、それぞれの降格の規制について整理 をしておきたいと思います。 (2)降格の適法性に関する考え方 ア 懲戒処分としての降格の場合 懲戒処分としての降格を行う場合、当然な がら懲戒処分である以上、懲戒処分としての 規制を受けることになります。ですので、就 業規則に懲戒処分として降格を行えることを 明示するとともに、実際に降格を行う際は、 懲戒事由への該当が必要となります。また、 処分の相当性について、懲戒権の濫用でない かが問題となりうる場合があります。 イ 人事権の行使としての降格 一方、人事権の行使により職位・役職を引 き下げることは、就業規則に定めがなくと も、労働契約に基づき、使用者の裁量判断に よって可能であるとされます。これは、職業 能力の発展に伴って諸種の役職に配置するこ とを予定する長期雇用のシステムの下では、 労働契約法上当然に使用者が労働者の企業内 での役割を決める権限を持つことが予定され ています。この権限が人事権です。よって、 例えば、課長の役職が与えられたものに対し て、勤務成績の不良などを理由として一般社 員に降格するということには特に問題がない ということになります。もっとも、その人事 権の行使に、相当な理由がないですとか、賃 金の大幅な低下など本人の不利益が大きい場 合などは人事権の濫用と判断される余地もあ ります。 これに対し、職能資格制度上の資格を引き 下げる場合には、就業規則等で資格の引き下 げが可能な場合を明示する必要があるとされ ます。これは、職能資格制度の評価対象が、 職務遂行能力であるところ、職務遂行能力は 技能、経験の積み重ねによって向上し、低下 することはないとされており、労働契約上当 Q A Q&A 労働問題 14 兵庫経協2024年新年号

然には想定されていないことから、別途労働 契約の内容として定める必要があるためです。 2 異動について また、従業員を異動させることも、労働契約に 基づき与えられる人事権の一内容として行うこと ができるとされます。労働契約書や就労規則など に「業務の都合により、出張、配置転換、転勤を 命じることがある」と記載されることが多いと思 いますが、これは、使用者に配転権限が帰属する ことを表現するものです。 もっとも、この配転権限は、労働契約を根拠と するものですから、労働契約上職種の限定が合意 されているなら、職種の変更を伴う配置転換はで きないことになります。ここでいう合意は、労働 契約書上で明確に職種を限定している場合に限ら ず、黙示の合意も含みます。しかし、職種の限定 についての黙示の合意が認められた例はほとんど ありません。 また、配転権限も使用者の裁量判断によって行 われることになりますから、配転権限の行使が濫 用にわたらないかも問題となりえます。判例は、 ①配転命令の必要性を欠く場合、配転命令の必要 性があっても、②特段の事情がある場合、具体的 には、(a)不当な動機・目的をもってなされた場 合、(b)配転命令によって当該従業員に通常甘受 すべき程度を著しく超える不利益を与える場合に 当該配転命令は権利濫用と評価され違法となると されます(東亜ペイント事件―最判昭和61年7月 14日労判477号6頁)。 3 本件の場合 以上を前提に、本件の場合について考えてみま しょう。まず、人事異動の対象となる従業員(以 下、「本件従業員」といいます。)は、営業職という ことですから、特に職種の限定を合意したという ことはないと思われます。そうすると、本件従業 員を営業部門から他部門に異動させることは人事 権の一内容として可能であると考えられます。 もっとも、配転命令が権利濫用とならないもの であることも必要ですが、本件での異動は、多く の客先から出禁になったことが理由となってお り、労働力の適正配置の観点から①配転命令の必 要性が肯定されるでしょう。この点については、 実際にどの客先から出禁となっているか、どのよ うな理由で出禁となったのかについて調査し、資 料として保存しておくとより適切かと思います。 ②特段の事情については、本件配転命令が、例え ば自主的な退職を事実上強要するようなもの(神 戸地判平成28年5月26日労判1142号22頁参照。)で ない限り不当な目的があるという評価にはならな いでしょう( ②(a))。不利益の点については、部 署の転換が生じるに伴って転勤も発生するという ような場合でなければ問題はないと思われます (②(b))。 次に、降格についても、懲戒処分として行うの ではなく、人事権に基づき行う場合で、職能資格 制度の資格や職務等級制度の等級を下げるもので なければ、使用者側の裁量として行いうることに なります。もちろん、労働契約を根拠とする権利 ですから、例えば就業規則上で降格できる場合を 定めている場合は、その定めに従って降格を行う のが適切です。 もっとも、(2)イでも述べたとおり、権利濫用 に当たらないかは問題となりえます。管理職とし ての能力は、単なる営業能力以外に様々な能力が 必要ですから、一概に言えませんが、本件の場合、 勤務態度が悪く、客先から出入り禁止となってい る以上、本件従業員の管理職としての能力が不足 していると考えられることから、降格の必要性は 認められるものと思われます。また、特段の事情 については、上述と同様の理解になるのではない かと思います。なお、不利益の点(②(b)につい ては、例えば職位の低下に伴い給与も減額される 場合に、それが職位の低下に伴い発生する減額と して評価される場合は、「通常甘受すべき程度を著 しく超える不利益を与える場合」には当たらない との評価になりやすいのではないかと思います。 15 兵庫経協2024年新年号

青年部会は11月8日(水)に株式会社神戸製鋼所ラグビーチーム“コベルコ神戸スティーラーズ”を訪問す る機会をいただきました。2019年のワールドカップ日本大会や今秋のフランス大会などラグビー熱は高 まっており、本例会にも21名のメンバーが参加しました。 例会ではまず、手入れされた天然芝のグラウンドでのパス回しを体験させていただき、マシーンが多数なら ぶトレーニングルームや豊富なメニューの食堂、リラクゼーションルームなどを見学させていただきました。 その後は今回のメインである「ラグビー部のチームづくり」について、同チームのチームディレクター 福本正幸氏にご講演いただきました。 ご講演では、企業チームだからこその愛社精神の大切さや、外国人選手から学ぶコミュニケーションの 重要性などのお話もあり、強豪チームを作り出す秘訣を垣間見ま した。 また、例会後は御影駅に移動し“炭火焼鳥 一喜鶏 離れ”でチーム 関係者4名にもご参加いただき懇親会を開催しました。懇親会で は当会副部会長で、元同チームの選手でもある鈴木さんの発案で、 1/14にノエビアスタジアム神戸で行われる“クボタスピアーズ船 橋・東京ベイ”との試合を観戦することとなりました。昨季のリー グ優勝チームとの一戦ですので熱い応援をしたいと思います! 青年部会は12月13日(水)に兵庫県森林動物研究センターを訪問し、県内の鳥獣被害の状況や県政の取組み について学ぶ機会をいただきました。同センターは丹波市青垣町に平成19年に設置され、同様の施設としては 国内でも数少なくまた、県立大学の教授等が常駐し共同研究されている施設となります。 当日は同センター業務部副部長の廣瀬泰徳氏が「獣害の歴史・被害の現状」等を詳しく、わかりやすく説明 いただきました。また、報道等でも見聞きする「保護(殺さない)と管理(殺す)」について苦慮されながらも、 科学的根拠に基づいた今後の保護管理の取組みなどについてもご説明いただきました。 説明の中で、兵庫県が本州において最も鳥獣被害額が大きいこと (全国ではワースト4位)や山林が荒れているから野生動物が人里に出 没するのではなく、荒れた森林は野生動物にとって豊かな状況⇒個体 が増える⇒増えた個体が簡単に餌をとれる人里に出没。という状況で あることなど、新たな学びを得る機会となり、参加者からは大変有意 義だったとの感想が多く聞かれました。 その後は、丹波篠山で有名な料理旅館・高砂で牡丹鍋を堪能させて いただき、自然の驚異と恵みを体感できた例会となりました。 ●11月例会報告 ●12月例会報告 青年部会は10月12日(木)から13日(金)にかけて埼玉県で行われた第48回経営者協会青年部会全国大会 IN埼玉に参加しました。当日は正副部会長他7名が会場となったパレスホテル大宮にて式典・記念講演会・ 懇親会を通して、全国の青年部会メンバーと一年ぶりの交流を行いました。 式典では、大野埼玉県知事・清水さいたま市長がご挨拶され、その後の記念講演では、新1万円札のデザ インとなる渋沢栄一氏の5代目子孫であり、シブサワ・アンド・カンパニー㈱代表取締役の渋澤健氏に「日 本の未来を拓く 渋沢栄一の発“創”力」と題しご講演いただきました。懇親会では、迫力のある和太鼓演奏 や三大阿波踊りでも有名な南越谷阿波踊りなどが披露され、利き酒大会では我が青年部会の中林副部会長 が見事勝利しました。 来年は高知県、4年後には兵庫県での全国大会が予定されています。益々活発な活動が期待されます。 ●10月例会報告 全国大会IN埼玉 Report 青年部会・活動報告 16 兵庫経協2024年新年号

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