「兵庫経協」2022新年号

【日 時】2021年12月15日(水) 16:00~18:00 【会 場】兵庫県経営者協会+オンラインZoomによるハイブリッド開催 【参加者】会員11名 今年度もコロナ禍により、引き続き制約の多い1年となりましたが、新設「働き方」を含む「学生への働 きかけ」「女性への働きかけ」「スキルアップ」4チームの尽力により、充実した活動を続けることができま した。この度の12月例会では、今年度の活動を振り返り、企業環境や働き方の変化に対応し今後より充実 した活動ができるよう、次年度の方針について参加者全員で協議しました。 社内外システムに登録する作業をRPA化し、作業時間を71%(14時間→4時間)削減することができた。 稼働済RPAによる業務時間削減能力は10月末時点で36,254時間/年であり、2021年末目標比130%に届く 結果となった。従業員からは「ルーチンに費やしていた時間をより高度な業務に回せるようになった」 「月初の集計などで休めない業務を持っていたが気持ちが楽になった」「入力間違い防止による業務品質 の向上を図れた」という声があり、業務精度や働き方の向上に寄与していることが確認できている。 ㈱デンソーテン「デンソーテンの働き方改革の取組」 働き方改革は個人と会社の双方にとってより良いものとなるよう、 「生産性向上」「個人の選択・チャレンジ」「個人の成長・多様性発揮」の サイクルを回すことを目指している。 もともとテレワークは育児・介護との両立支援からスタートしたが、 生産性向上等を目的に製造現場などの一部を除く全従業員対象に拡大 した。20年4月には新型コロナ感染拡大防止のため、本社等で一時的に 原則在宅勤務に切り替え、「業務を止めないためにはどうしたらよいか」 「どうやったら生産性を維持できるか」と試行錯誤で乗り越えた。当初は制度に対する不安や疑問の声も多 くあったが、仕事のやり方やコミュニケーションの取り方を工夫し、上手に活用すれば生産性の向上にも つながるという実感を得ている。特に、毎日のこまめなミーティングや進捗確認、情報を整理して文章等で 相手に確実に伝える、などの工夫が進み、上下間のコミュニケーションや人材育成の場面でのよい変化が見 られている。現在は本社での出社率は50%程度で、業務に合わせて出社と在宅を選択している。また、より 生産性の高い働き方を推進すべく、勤務制度だけでなく、マネジメント適正化のための組織開発手法の導入、 役員と従業員が本音で議論をする「キャッチボールミーティング」実施など、様々な施策に取り組んでいる。 さらに、ローテーション活性化や副業ガイドライン制定、育児介護に限らない短時間・短日数勤務導入 など、生産性向上で生み出した時間で新たなチャレンジをする従業員の支援も強化しており、多様な経験 による社員一人ひとりの成長を仕事に還元できるような好循環を目指していく。 東京海上日動火災保険㈱「東京海上日動の新しい働き方への挑戦」 「テレワーク」については、インフラ整備、ペーパーレス、捺印レスな どの体制整備に会社・現場ともに取り組み活用推進を実現。「在社メン バーの負担」対策には入電を各自のスマホに移行、在社シフトのバラン スに配慮、共有スケジュールの入力徹底などの工夫をした。「コミュニ ケーションの希薄化」には、Teamsを活用したタイムリーな情報交換や Zoomで顔の見えるミーティングを心がけている。 次に、朝5時から22時の間、自分で勤務時間を自由に選択できる制度「スーパーマイセレクト」により、 育児介護に合わせて午前中で仕事を終えることや、帰りがけに自己研鑽のため習い事へ通うことも可能と なった。「半日休暇」や他制度との併用もでき、勤務時間の幅が広がった。 新しい働き方に向けたオフィス環境「フリーアドレス」では、4人がけテーブルがジグザグに並ぶレイア ウトに変更し、朝来たら好きな席に座って良い。周囲には常に違う社員が座るため様々な情報が平等に 入るようになり、社員間のコミュニケーション活性化にもつながっている(現在はコロナにより固定席)。 「電話の取次ぎ」には上記のスマホ入電と共有スケジュールで対応。「書類の受け渡し」は、可能な限りデー タ化し、紙は必ず専用ボックスで受け渡し共有管理。「人材育成」の観点から、新入社員は教育担当とペア で席を決める。その日の仕事に合わせて社員が集まって座り、打ち合わせをしながら仕事を進められるよ うに予約制度も設けた。 会社のワークルールや環境整備だけでなく、現場の社員たちが新しいルール・課題解決策を考えながら 進めていく必要性を実感。新しい働き方や柔軟な働き方の実現には、今まで以上に社員間の連携や支え合 いが必要であり、自由度が増せば増すほどにコミュニケーションの密度を濃くしていかなければいけない。 これからも色々な課題に直面すると思うが、個人・会社ともに成長していけたらと考えている。 12月例会 「今年の振り返り及び次年度の事業計画について」 13 兵庫経協2022年新年号

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