「兵庫経協」2025冬号

新 年 の ご 挨 拶 皆様におかれましては、2025年の新春を迎えられ、謹んで新年のお慶びを申し上げます。 昨年の兵庫県経済は、海外経済の変動や自動車メーカーでの不正問題、広範な物価上昇を受 けた生活防衛的な動き、人手不足の深刻化等は下押しとなった一方、設備投資が増加したほか、 久方振りの高い賃上げ率に加えて、為替円安を受けたインバウンド需要の取り込み等により、 景気全体では緩やかな回復が続きました。 私ども日本銀行では、先行き2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが 見通せる状況に至ったと判断し、これまでの大規模な金融緩和の枠組みを見直し、「金利がある世 界」に移行しました。 本年のわが国および兵庫県経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和 的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まり、緩やか な回復を続けると考えられます。 もっとも、米国や中国等の経済・物価動向は不透明感が強いほか、地政学的リスクの高まりや 為替変動等、海外経済動向を巡る不確実性には注意が必要です。また、賃金と物価の好循環の強 まりに向けて、中小企業も含めて各種コスト上昇分が販売価格に転嫁されることで、先行きも しっかりとした賃上げが定着するのか、といった点にも注目しています。 本年は、大阪・関西万博の開催や神戸空港への国際チャーター便の就航に加えて、県内各地で 観光客の誘客施策が予定されています。こうした取り組みを通じて当地の魅力が国内外に発信さ れることで、観光需要のさらなる取り込みが期待されます。 本年は、1995年の阪神・淡路大震災から30年となります。甚大な被害からの復旧・復興に向け た多くの皆様のご尽力に対して、心より敬意を表します。国内外で自然災害が頻発する中、兵庫 県全体で阪神・淡路大震災の教訓を発信し、未来に繋いでいく事業が進められており、防災・減災 の意識を高める機会になると考えています。 本年の干支である「巳年」は、「新しいことが始まる年」とされており、国際チャーター便の就 航等は、観光需要の取り込みに向けて新しいことが始まる年と言えます。皆様方にとりましても、 将来に向けた新たな取り組みが着実に進展する年となることを祈念申し上げまして、新年のご挨 拶とさせていただきます。 日本銀行神戸支店長 別 所 昌 樹 新年のご挨拶 7 兵庫経協2025年新年号

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