「兵庫経協」2024新年号

新 年 の ご 挨 拶 明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 さて世界情勢は、東西冷戦終結後のパクス・アメリカーナの下平和と安定に向かう世界から、 混とんとした分裂と紛争の時代へと逆戻りしかねない情勢になっています。加えてアメリカを経 済力で追い抜く勢いだった中国経済の変調など、日本社会・経済を取り巻く環境は、まさに何十 年かに一度の激動に直面しています。 こうした中、日本経済は失われた30年といわれる低迷期を脱して、再び成長に向けた好循環を 生み出す転機にあります。政府による種々の経済対策や日銀の金融政策の行方がカギを握ってい ますが、現在世間の注目を集めているのは、今春の賃上げ交渉です。経団連の十倉会長は昨年 の賃金交渉に際して、「デフレからの脱却と人への投資促進による構造的な賃金引き上げを目指 した企業行動への転換を実現する正念場かつ絶好の機会」との考えを明らかにしており、政府の 「賃金と物価の好循環」を形成し、「新しい資本主義」を実現するという方針と軌を一にしていま す。今年も、政府並びに経団連の方針に変更はありません。 賃金引き上げの基本原則は、①様々な要素を勘案したうえで、②適切な人件費の総額を前提に、 ③自社の支払い能力を踏まえ、④労使協議または自主的判断により、決定するということです。 さらに賃金引き上げ実施に際しては、⑤どのような形で賃上げするか、賃上げの原資配分の仕方 についても、慎重に検討する必要があります。何故ならば、せっかくの賃金引き上げを、従業員 の意欲を高めることに役立てたいからです。当協会としては、できる限り会員に情報を提供して いきたいと思います。 話は変わりますが、当協会は、昨年12月に開催した理事会において、法人化に向けた検討を進 めることを決議しました。法人化は、当協会の組織体制の強化と活動の一層の充実化をめざした もので、会員の皆さまの権利や義務については、基本的に変更を加えることは考えていません。 3月の理事会で、法人化についての具体案を提案しご意見をいただいたうえで、5月の総会でご承 認いただくことを目指していますので、何かご意見などがある方は、事務局にお知らせいただけ るように、ぜひともお願いします。会員の皆さまにより役立つ活動を展開できるような組織にな るように、検討を進めてまいりたいと思います。 最後になりましたが、年頭に当たり、会員の皆さま方の当協会の活動に対するご理解とご協力 をお願いするとともに、今後ますますのご発展をお祈りいたします。 新年のご挨拶 兵庫県経営者協会 会長 成 松 郁 廣 1 兵庫経協 2024年新年号

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