「兵庫経協」2021春号
経協 レポート KEIKYO REPORT 〈3 月度理事会 〉 2021年3月23日(火)14:00~15:20 ホテルクラウンパレス神戸 緊急事態宣言が解除されたことを受け感染防止対策に万全を期した上で、3月度理事会を集会形式で 開催しました。下記の議案について審議が行われ、理事の皆様の満場一致により承認されました。 ・第1号議案 公設委員候補者の推薦について ・第2号議案 事業計画(案)について ・第3号議案 収支予算(案)について ・第4号議案 役員の選任について ・第5号議案 役員選考について(役員選考委員会の設置) 〈3 月度講演会 〉 2021年3月23日(火)15:30~17:00 ホテルクラウンパレス神戸 テーマ:『最近の金融・経済情勢と今後の展望』 講師:日本銀行 神戸支店長 長江 敬 氏 理事会に引き続き、日本銀行神戸支店 長江支店長にお越しいた だき、日本経済と直近の兵庫県下の経済情勢をデータに基づき、 解説いただきました。 講演の一部を下記に抜粋しております。また、当日の資料を閲 覧ご希望される方は当協会総務部までご連絡ください。 日本経済 の 状況 昨年前半はコロナ禍で急速な悪化に陥り、後半はゆるやかな回復基調となりました。日本をとりま く世界経済はリーマンショックを大幅に下回る世界大恐慌以来のマイナス成長となり、日本の成長率 (GDP)を見ても昨年の4-6月期は、戦後最大のマイナスとなっています。個人消費と輸出の落ち込みが 主な要因でしたが、後半は政府の経済対策の効果もあり大幅に消費水準がもどり、企業の設備投資も増 加し、2期連続のプラスになりました。しかし、現状はまだコロナ前の経済状況には到達していません。 兵庫県内 の 状況 全国的にみて地域ごとの差はそれほどありません。景気判断としては、依然厳しいが、持ち直し傾向 という状況です。県内経済は、第二次産業(製造業)のウエイトが高く、第三次産業が低いということと、 情報通信業のウエイトが低いという特徴があります。これらの特徴が影響して特定の業種に影響される ことが少ないという傾向があります。現状の景気判断としては全国とほぼ同様に、前半は厳しく、9月以 降持ち直しという状況です。ただし、年明け後はコロナの第3波の影響で少し足踏み状態となっています。 兵庫県の実質GDPをみると、企業の設備投資は昨年の1-3月を除いてずっとプラスをキープしています。 経常利益をみると、収益的には厳しいのに先行き不安定な中でも伸びています。個人的考察ですが、 阪神淡路大震災の経験から、単年度の収益が悪化しても先を見て投資する企業風土が存在しているのか、 あるいは次年度以降の景気の回復を見込んでいるのではと考えています。 全国 の 先行 き 経済見通 し 2021年度はコロナ前にもどると予想しています。ただし、ペースは感染状況に影響されます。 アップサイドの 展望 コロナの終息次第で思った以上の回復 ダウンサイドの 展望 (コロナが終息しない場合) 中長期的な成長期待の低下、計画していた設備投資のとりやめ → マイナスのスパイラル 家計においても収入がのぞめないと消費控え → マイナスのスパイラル 金融システムへの波及で、資金繰りを支えられなくなる → マイナスのスパイラル 県内 の 先行 き 経済見通 し 今のうちにコロナ終息後に備えることが大切だと思います。コロナ終息後の環境変化としては、サプ ライチェーンの再構築が考えられます。 製造業が集積しており、陸海空の交通インフラがそろっている兵庫県は、新たに生産拠点を設けたい 企業の受け皿になる潜在能力があります。 また、テレワーク(デジタルワーク)の進展で、若年層の人口流出が抑えられる可能性があります。 同時に、全体としての人口減少は避けられないのが現実ですので、新たな需要の創出を医療、環境、 非接触(新たな感染症への対応)などの分野で開発することが期待されます。 最後に景気全般としては、まだ回復とはいえないですが、明暗のある中、回復してるセクターにけん 引してほしいと望みます。 ●理事会 ・ 講演会 9 兵庫経協 2021 年春号
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