「兵庫経協」2021春号
これに伴い、改定後の最低賃金額を下回る賃金で働く労働者の割合を示す「影響率」が急激に上昇し、 2019年度は過去最高の16.3%を記録しました。 2020年度は、コロナ禍において事業継続と雇用維持に取り組む中小零細企業に配慮し、中央最低賃金審 議会は「現行水準を維持することが適当」との目安を提示しました。 これを受け、地方最低賃金審議会の決定状況は、ゼロ円からプラス3円で答申され、全国加重平均はプラ ス1円の902円となりました。(ちなみに兵庫県はプラス1円で900円でした) 今後の審議は、政府の3%引き上げ方針ありきではなく、中小零細企業の持続的な生産性向上が何よりも 重要であると考えます。 地域別最低賃金が大幅に引き上がったことにより産業別に設定される特定最低賃金との金額差が急激に 縮まり、個別では地域別最低賃金額を下回る特定最低賃金の件数が増加しています。 このような実態から、特定最低賃金存続の意義自体が大きく揺らいでいるものと考えられ、複数年度に わたって下回っているケースや、適用労働者数が極めて少ない特定最低賃金については、廃止した場合の 影響等を踏まえながら、労使で具体的な廃止時期を審議すべきところです。 経団連の「経営労働政策特別委員会報告」並びに連合の「春季生活闘争方針」を、労使双方の講 師を招いてセミナーを開催しました。 *開 催 日:2月10日(水) *会 場:今回はすべてweb開催 *演壇と講師:第一部「2021年春季労使協議への取り組み・考え方について」 講師 日本労働組合総連合会兵庫県連合会 事務局長 那須 健 氏 第二部「2021年春季労使交渉に臨む経営側の基本姿勢と具体的対応策」 講師 兵庫県経営者協会 副会長 塚本 晃彦 氏 オンデマンド視聴 (一社)日本経済団体連合会 専務理事 椋田 哲史 氏 今年は新型コロナ対策により労使双方の出席者を大幅に絞り開催しました。 労使双方を代表して当協会の三原会長、連合兵庫の福永会長の挨拶の後、連合兵庫の那須事務 局長より今回の交渉姿勢と内容について説明があり、これに対し当協会の冨山労務委員会委員長 より経営側の考え方について述べました。 その後、労使双方のメンバーより質疑応答・意見交換を実施しました。 *開 催 日:2月16日(火) *会 場:神戸メリケンパークオリエンタルホテル *メンバー:兵庫県経営者協会 三原会長以下8名 連合兵庫 福永会長以下7名 【春季労使交渉セミナー】 【兵庫県労使懇談会】 5 兵庫経協 2021 年春号
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