「兵庫経協」2021春号
しかし、経営環境の変化に伴い最近は時代に合わない部分が出てくるなど、課題が顕在化してきており、 経団連は昨年よりメンバーシップ型雇用のメリットを生かしながらも、特定の仕事・職務・役割・ポスト に対して人材を割り当てるジョブ型雇用を各社の実情に合わせ、柔軟に取り入れた、自社型の雇用システ ムの確立を呼び掛けています。 ⬡ ࿑ಇ๏੍のվਖ਼ಈͱॾ՝のରԠ (1) 改正高年齢者雇用安定法 の 施行 に 向 けて 高年齢者雇用安定法が、この4月1日に改正法が施行され、大企業・中小企業にかかわらず個人の希望に 応じて70歳までの就業機会の確保措置が努力義務となります。 改正法につきましては、労使で可能な限り早めに検討・議論し、対応を決める必要があります。 なお、継続雇用制度における有期雇用の高年齢社員ついては、同一労働・同一賃金の観点で、無期雇用 の正社員との均等・均衡待遇が求められる点にも留意が必要です。 また、人生100年時代においては、定年前の段階で中高齢社員が自身のセカンドキャリアをより主体的に考え、 スキルアップを図ることができるようなセミナーや研修などを積極的に開催することも検討が必要です。 (2) 副業 ・ 兼業 副業・兼業を希望する社員は年々増加傾向にあります。 その理由は単に収入を得るためだけではなく、自分の希望に沿った仕事やスキルアップ・資格の活用な どを目的としたものも少なくありません。 政府は、これまでもガイドラインの策定などを通じて、副業・兼業を推進してきましたが、十分に普及 していませんでした。 自社と副業兼業先との労働時間通算規制があるため、社員の時間管理が困難といった懸念事項があり、 これが解消すれば副業・兼業を認める検討している企業が昨年の経団連の調査 で約3割にのぼっていました。 昨年9月に政府のガイドラインが改定され、労働時間管理の方法が明確化 され、今後、副業・兼業を認める企業は増加していくと思われます。 企業としては、健康確保に留意した副業・兼業を推進していくことが重要 です。 (3) 最低賃金制度 に 関 する 考 え 方 近年の地域別最低賃金は、早期に全国加重平均1,000円を目指す政府方針へ の配慮を強く求められた結果、2016年から4年連続で全国加重平均が3%を超 える大幅な引き上げとなりました。 第 31 回 兵庫県労使懇談会 の 会場 (P.5 参照 ) 4 兵庫経協 2021 年春号
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