「兵庫経協」2021春号

今後は、アウトプットの増大、付加価値の増大を計ることが求められます。 付加価値をもたらす社員が「やる気」や「働きがい」を感じ、「エンゲージメント」を向上させる施策が重 要となります。 これを「働き方改革フェーズⅡ」と呼び、ウィズコロナ・ポストコロナ時代を見据え重要性が更に増して います。 (3) 求 められるエンゲージメント 向上 への 取組 みの 強化 エンゲージメントは、組織の目標と自分の成長の方向が一致し、「働きがい」や「働きやすさ」を感じる 職場環境の中で、組織や仕事に主体的に貢献できる意欲や姿勢といった概念です。 エンゲージメントを高めるために必要な施策は多岐にわたっていますが、中でも重要なのが、仕事を通 じて社会に役立っているという意識です。 例えば、SDGsの達成や地域社会への貢献に結びついた企業理念や事業活動は、働き手の「誇り」や「や りがい」に繋がります。 ポストコロナを見据えて「働きがい」「働きやすさ」の双方を実感できる職場づくりを目指した人事労務 施策と、それを支える健康経営の推進によって、働き手の自律性を重視した多様な働き方が求められます。 (4) 見直 しが 求 められる 労働時間法制 「働きやすさ」を実感できる職場環境の整備として、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の重要性が 注目されています。 このうち場所については、テレワークなどにより、ホワイトカラーをオフィスから解放することが可能と なってきましたが、時間にとらわれない働き方が課題です。 現行の日本の労働時間法制は、現場で上司から都度指示を受けて仕事に従事し、働いた時間の長さと成 果が比例することを前提とした工場勤務を念頭に制定されたものです。 今回のコロナ禍を契機に、このような硬直的な労働時間法制は見直す必要があります。 (5)「メンバーシップ 型 」 雇用 と「ジョブ 型 」 雇用 新卒一括採用、長期雇用、年功型賃金等を特徴とする従来の日本型雇用システムは「メンバーシップ型」 雇用と称されます。 メンバーシップ型雇用には、計画的な採用、会社に適した人材の育成や、社員の高い定着率とロイヤリ ティなど様々なメリットがあり、多くの企業に長きにわたって採用され続けてきました。 3 兵庫経協 2021 年春号

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