最低賃金改定の目安を審議する中央審議会は昨年と同様、厚生労働大臣 より、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2024 改訂版」及び 「経済財政運営と改革の基本方針 2024」に配意を求められました。それらには、 2030年代半ばまでに全国平均の最低賃金を1,500円とする目標をより早く 達成すると、具体的な金額が記載されています。 その結果、これを逆算したかのように昨年の大幅引き上げを上回る50円の 目安が示されました。 パン・豚肉? 昨年の目安額は10月から6月までの消費者物価指数「持家の帰属家賃を除 く総合」の対前年同期比4.3%を基準として検討されましたが、今年は、同指 数が3.2%と低下していますので、代わりに、パン、豚肉、野菜、お菓子などの食料品と、ポリ袋、診療代 およびガソリンで構成された消費者物価指数「頻繁に購入する品目」(※)の5.4%を主な根拠とした公益委員 見解で答申された目安額となりました。 兵庫は目安+1円 そして、これを受けた兵庫の地方審議会が開催されました。 当初、労働者側は最低限必要な賃金水準である「連合リビングウェイジ」との差119円の半分である60円 に兵庫県最低賃金と全国加重平均との差の3円を加えた63円引上げの1,064円を提示し、使用者側は、厚労 省の賃金改定状況調査に基づく賃金上昇率の2.4%(24円引上げ)を主張しました。 4回にわたる審議を重ね、最後には労働者側は53円引上げの時間額1,054円、使用者側は労使合意の可能 性がある目安額の50円の引上げ、時間額1,051円を提示しましたが、ここで議論が膠着し、公益委員の見解 で採決する事になりました。 公益委員は、「全国加重平均額との差3円を縮めたい」また、「政労使会議にてオール兵庫にて賃上げに取 り組むという意思表示がされている」との理由で、時間額1,052円、51円の引上げを提示し、採決の結果、 使用者側反対、公益・労働側賛成で決定しました。 (※)【参考】「頻繁に購入する品目」の構成 食パン あんパン カレーパン ゆでうどん カップ麺 中華麺 かまぼこ 豚肉(国産品) 豚肉(輸入品) 鶏肉 ハム ソーセージ 牛乳 ヨーグルト チーズ(国産品) 鶏卵 キャベツ ねぎ レタス もやし にんじん たまねぎ きゅうり トマト ピーマン しめじ 豆腐 油揚げ 納豆 バナナ せんべい ポテトチップス チョコレート アイスクリーム おにぎり 調理パン サラダ 茶飲料 コーヒー飲料A 野菜ジュース 炭酸飲料 ポリ袋 診療代 ガソリン 労働政策ニュース 特 集 兵庫県の最低賃金は1,052円 過去最高の51円増額で10月1日より適用 特定(産業別)最賃は、12月1日より6業種で増額します。 2 兵庫経協2024年秋号
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