「兵庫経協」2022新年号

新 年 の ご 挨 拶 皆さま幸多き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。 2019年12月にコロナウィルスが発生してから2年以上が経過しましたが、様々な分野で多くの 方々の努力と情熱により、我々は少しずつ日常を取り戻しつつあります。油断は禁物ではありま すが、コロナ克服に向かっての手ごたえを感じます。 さて、日本経済を展望しますと、世界に比べて大きく遅れているデジタル化を推進するとともに、 DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用により、新しい価値を創造することが急務に なっています。また、社会面でも、誰もがニューノーマルを実感する時代が訪れつつあります。 皆さまもすでに日常の中でデジタル化のうねりを感じておられるのではないでしょうか。それが、 IT関連企業のCMを見ない日はないことなどに顕著に表れているように思えます。 今後の日本にとっては、困難な課題が山積していますが、失敗を恐れず、新たな課題に積極的 にチャレンジしていくことが求められています。 昨年11月に発足した第2次岸田内閣の基本方針では、「新しい資本主義の実現」の中で「デジタ ル田園都市国家構想の具体化による地方活性化」が挙げられています。企業にとっては、この構 想によって、テレワーク等で何処ででも、何時でも仕事ができる新しい働き方が加速され、働き 手に時間的ゆとりやエンゲージメントの向上がもたらされ、生産性の向上にも繋がると考えられ ます。このことは曳いては、大都市一極集中からの解放や地方活性化の大きな足掛かりとなるの ではないでしょうか。 一方、我が国では30年間、平均賃金が上がっていないと云われ、OECD加盟国の中でも賃金水 準は下位となっています。雇用を最優先したことや有期雇用等の増加が一因であるとも考えられ ますが、これは働き手の立場からは看過できない問題です。賃金は、当然、企業個々の支払い能 力の原則に則りながら、労使の話し合いの下で決定すべきものですが、現在の賃金アップのモー メンタムを維持し、改善に努めていくことは必要であると考えています。 加えて、現在の企業経営は、経団連が提唱するSociety 5.0 for SDGsやESG(環境、社会、ガバ ナンス)の視点を取り込まなければならないなど、大変難しい舵取りを迫られています。難しい 課題ではありますが、ダイバーシティや気候変動への配慮ができる企業は人材確保の上でも大き な強みを持つことができることも事実です。 このように我々には超えるべき課題が山積していますが、会員の皆さまと共にスピード感を もってチャレンジし続けたいと考えていますので、本年もどうぞご支援を賜りますようお願い申 し上げます。 末筆になりましたが、会員の皆さまとご家族のご健勝を祈念し、新年のご挨拶と致します。 新年のご挨拶 兵庫県経営者協会 会長 三 原 修 二

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