「兵庫経協」2021秋号

【 令和3年度 兵庫地方最低賃金の審議 】 今年度 の 最低賃金 の 審議 は、7 月 16 日 の 中央最低賃金審議会 において、 大学教授 で 構成 する 公益委員 が、 「 賃金改定 ・ 物価 ・ 企業利益 ・ 雇用情勢 を 総合的 に 勘案 すれば、 最低賃金 を 大 きく 引 き 上 げてきた 時期 と 比 べ、 今 の 状況 は 大 きく 異 ならず、 雇用情勢 に 大 きな 影響 は 与 えない」として、 全国一律 28 円増額 の 目安案 を 提 示 し、 異例 の 採決 に 至 ることとなり、 公益 ・ 労働 の 賛成多数 により 可決 されました。 兵庫 の 地方審議会 も6 月 30 日 より4 回 の 審議会 、5 回 の 専門部会 を 持 ちましたが、 金額根拠 が 示 されない 目安 に 対 する 中央審議会 の 混乱 を 引 きずり、 労使双方 の 意見 の 隔 たりが 大 きく、8 月 5 日 の 審議会 におい て 公益委員 の 目安通 り28 円増額 の 提案 に 対 し、 使用者側 は 反対 しまし たが、 公益 ・ 労働 の 賛成多数 により 可決 し、928 円 の 兵庫県最低賃金 が 10 月 1 日 に 発効 することとなりました。 全国 でも 兵庫 を 含 む40もの 都 道府県 が 目安通 りの 結果 に 終 わりました。 地方最低賃金 はパート・アルバイトを 含 むすべての 労働者 に 適用 さ れますので、 各社 におかれましては 確実 な 対応 をお 願 いいたします。 また、 特定 （ 産業別 ） 最低賃金 の 審議 も 引 き 続 き 行 われ、7 業種 の 最低 賃金 が 決定 し、12 月 に 発効 します。 第1回 専門部会 …………………………………………… 7月19日月 9：50～10：10 ・労使双方の審議に臨む基本的姿勢について意見表明 ●使側 の 主張 ・新型コロナの長期化は、中小企業、特に宿泊・飲食・運輸業等で、極めて厳しい業況。 ・大幅な最低賃金の引き上げが、雇用の削減や廃業につながることが強く懸念される。 ・常識的に考えて地域別最低賃金を引き上げるような状況にはない。 ・データと乖離した＋28円3.1％の目安額が示されたことは地方審議会の使用者委員とし て誠に遺憾。 ・国の意向に基づいた目安は、民間賃金に賃金統制令以来の国の介入を許したことになる。 ●労側 の 主張 ・「誰もが時給1,000円」を目指す。これは政府方針とも一致する。 ・生活保護の申請者が増加しており、再就職も難しい状況にある。 第 3 回 本審 ……………………………………………………… 7 月 28 日水 9：30～10：30 ・目安答申の伝達（全国一律　＋28円） ●使側 の 主張 目安答申に対し、 ・目安額の根拠の説明を求める。→労働局より明確な金額の根拠は得られず。 ・円滑な労働移動がない状況では、体力のない企業の労働者は見捨てられる。 ・誰一人置き去りにしない完全雇用を前提とした健全で持続可能な雇用環境を維持したい。 ●労側 の 主張 なし 労働政策 ニュース 兵庫地方最低賃金が 決定 しました 令和3年度 地域別最賃 は、10 月 1 日 より28 円増額 の 928 円 に、 特定 （ 産業別 ） 最賃 も6 業種 で 大幅 に 増額 し12 月 1 日 に 発効 特 集 2 兵庫経協 2021 年秋号